結晶が六十九つ ページ22
あの後は割とあっさり解放して貰ったけれど、唇や口の中に残る感触はなかなか消えなくて、私は翌日も思い出してはバタバタとベッドの上で悶えていた。
『あんなの…知らないよ…』
柔らかくて、優しくて、気持ちよくて、なによりグルッペンさんの声にはとてもゾクゾクとした感覚を味わった。あれが口にするキス…私にはとてもじゃないけど自分からするとか、出来なさそうだった。羞恥心で死にそう。
『…顔、いつまでまともに合わせられないかな…』
しばらくはグルッペンさんを見る度に思い出してしまいそうで、うーっとしながらパタパタと翼を動かす。そんな時、部屋の扉がノックされた。
Tn「俺や。入ってええか？」
『あ、どうぞ…』
返事をすると、トントンさんはゆっくりと扉を開いて入ってきた。
Tn「…もしかして、寝てるところやった？」
『いえ、ぼーっとしてただけです』
Tn「ならええんやけど…」
そう言いながら私のベッドの縁にすとんと座る。
『あの、ご要件って…』
Tn「ついさっき、グルさんと話しててんけど、少し悩んでたらしいやんか」
『あー…まぁ、はい』
Tn「…子供扱い、な。確かにお前には少しそういう所あったかもしれへんな。年下だし、もう久しく見ないくらい純粋で…つい、甘やかしすぎてな」
頬をかきながら、トントンさんは言う。
『いえ…いいんです。私も別に頭を撫でられたりだとか、優しくされるのは嫌いなわけじゃないので。ただその…トントンさんとグルッペンさんに"家族"として扱われるのはなんか…もやもやするというか、もっと、触れてもいいのにって…思って…』
お二人から触れられた時が、1番嬉しい。やはりこの人たちが好きだと感じることができるから。
『私にはどこか遠慮しているところが見えるんです。だから、もう少し遠慮とかしなくても…』
Tn「…それって、俺もキスしていいってこと？」
『え？』
突然真剣な目でそう言われて、私はきょとんとしてしまう。
Tn「…実はな、グルさんからそのことも聞いた。あいつは自慢したかったんやろうけど…俺、少し羨ましく思ってん。…な、ダメか？」
トントンさんは私の手に自分の手を重ねて、なお真剣に見つめてくる。その眼差しに少しずつ心臓が脈打つのを感じた。けど…
『だめ、じゃないです…』
Tn「…うん、ありがとな。正直言うと俺も初めてやから、恥ずかしいのはお互い様やで」
それにもこくりと頷くと、少しずつ顔が近づいてきた。
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Minto - 完結おめでとうです！とっても夢主(？)の子の発言の一言一言が可愛かったです！ (2021年4月5日 8時) (
レス) id: 018cf43ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ありがとうございます！楽しんでもらえたようでなによりです!!!!!! (2021年4月5日 7時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - レイラさん» ありがとうございます！大好きになると言っていただけて光栄です！ (2021年4月5日 7時) (レス) id: c0349a147b (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅ｨ(プロフ) - 完結おめでとうございますぅぅぅぅぅ！！！連載当初から大好きでした！うぅぅぅ………………………尊い……… (2021年4月5日 7時) (レス) id: 5a1e05369f (このIDを非表示/違反報告)
レイラ(プロフ) - 完結おめでとうございまぁぁぁぁぁぁぁす！！！ノアさんの作品めっちゃ好きでした…これからは大好きになります！ (2021年4月4日 23時) (レス) id: 02c3934955 (このIDを非表示/違反報告)
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