これが恋だなんて信じないⅡ (ページ23)

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真剣乱舞祭前日、夜ページ23

そんなこんなで時はすぎ、11月の終わり。真剣乱舞祭も明日の夜に迫った。ああ〜楽しみすぎて辛い。

この前観させてもらったテニミュの感想とか、少しは伝えたけど、やっぱりあとからあとから思うところが出てきて、手紙を書かざるをえない気持ちになった。直接言うよりも、手紙みたいに文字で書き表した方が考えがまとまっていて、私的にはすっきり伝えられるし。もともと国語は得意だった。そして私は今、明日、宏規くんのプレゼントボックスに手紙を入れようと、この間買ったおしゃれなレターセットと机に向かっている。

手紙なんてこれまでも何回も書いてきたはずだけど、ちゃんと知り合ってから書くのと、ファンというだけで書くのは、感覚が違う。知ってる人に書くのだし、敬語ではなくてもいいよな……？でも名前も書くし、私だって普通にわかるよね…宏規くんが手紙を読んでさえいればだけど

正直なところ、宏規くんが手紙を読む人なのか読まない人なのかわからない。まあ、読んでもらえなくてもいいかな、って前は思ってたけど…出会ってからは、ちゃんと思ったことを伝えたいと思ってしまうようになった。欲張りだけど

ええい、書いてしまえ。どれだけ恥ずかしいこと書いても手紙だし！たまにはちゃんとファンらしくさせてくれ！

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「ふぅ……書けた…」

目の前には何とか内容を3枚に、住所などを書いて計4枚に収められた手紙が置かれている。手紙というのは、長そうな厚みのあるものは後回しにする人が多いらしい。できれば読んでほしいもん。4枚に収めるなんてがんばった、私。(頑張れてはいない)

そういえば、乱舞祭に行く前日に連絡してほしい〜って遊びに行った帰りに言われた。もう夜だけど、いいかな。

私はLINEを開き、宏規くんとのトーク画面に『明日乱舞祭行きます！夜公演だけど、朝は早いよね、がんばって！』と送った。

すると私がトーク画面を閉じる前に既読がついた。はやっと思いつつ、結局画面を閉じられずにそのまま返信がくるか待っていると、すぐにポン、と音を立てて返信があがった。

『りょうかい～』
『そういえばなんやけど、席が通路前って言っとったやん？どこのブロック？』

『西の右の方だよー』

『わかった～
細かくはわからんけど、もしかしたら客降りのとき、前とか通るかもしれへん、笑』

『じゃあ、楽しみにしとくね笑笑』

そこで会話は終わった。さて、服でも選びますか