これが恋だなんて信じないⅡ (ページ22)

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レミゼを観る約束ページ22

待ってこれは予想以上にしんどい。

宏規くんに「暇な時(なんてないかもしれないけど)でいいんだけど、よかったらレミゼの映画のDVDあるので一緒に観ませんか？」と送ってはや翌日。返信は愚か、既読すらつかない。

いや、わかってたんだよ？暇なんてないって。大体今日ファンミーティングだよな？忙しいじゃん絶対。あー本当にタイミング悪いな。「なにこいつ」とか思われたらどうしようほんとに…

時間が経てば経つほど、嫌な妄想が頭を巡る。世の中の恋する乙女ってこういうこと経験していたんだな…

まあ別にいつかは見ると思うし、気長に待てばいいか

そう自分に言い聞かせて、カフェラテでも飲もうとキッチンに立って、電気ポットにお湯を入れ始めたそのとき、「ピコンッ♪」とLINEの通知を知らせる音がした。

まさかな…と一種の不安を抱きながら恐る恐るスマホをひっくり返すと、通知欄には見間違うはずもない、宏規くんの名前が記されていた。思わず身体が強張る。

しかしこのままにしておくわけにもいかないので、薄目で、えい！と押した。

『ええよ～みよみよ！』

そう表示されたLINEのトーク画面を見て、思わず「よしっ！！」とガッツポーズをする。
心底よかった……

そんな暇か？暇じゃないよないつにするんだろ……

『よかった。真剣乱舞祭とかもあるし、暇じゃないと思うから時間も場所も宏規くんのタイミングでいいよ～』

と送ると、すぐに既読がついて、『そんな気遣わんでもええのに、笑でもそうね、もしかしたら12月くらいになるかも、ごめん！』とスタンプとともに返された。

『全然いいよ！乱舞祭の稽古と、今日のファンミがんばってね！✨』と送り、宏規くんからの『ありがとう〜』という返信を確認してから私はLINEを閉じた。

ファンミには残念ながら当たらなくて、行けないけど……(泣)
でもこうやって宏規くんと約束できたのはすごく嬉しい。乱舞祭と宏規くんとの約束を楽しみに、近々あるミュージカルのオーディションをがんばろうと思えた