これが恋だなんて信じないⅡ (ページ41)

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プレゼントと想い1 ページ41

どこかでお話でもする予定だったので、場所は駅近くのカフェに落ち着いた。外が寒かったから、私の前にはミルクティー、宏規くんの前にはホットコーヒーが置かれている。

「誕生日おめでとう！」

そう言いながら、みうら動画と同じノリで手をパチパチと叩く宏規くんに釣られ、私も自分のことながら、軽く手を叩く。一体今から何が始まるのか……

「今日は、まあね、Aちゃんの誕生日が一昨日だったということで」

「……昨日じゃない？」

「えっ昨日?!………いや、一昨日やって！だって俺一昨日袴着たもん！」

「あ、ちゃんとわかってた」

「もう〜からかわんといて〜」

「あははっごめんごめん」

宏規くんは「で、一昨日誕生日やったから、プレゼントをね、あげたいなと思いまして」と続けた。

「ちょっとそれは予想外…え、まじですか？」

「まじです。はいっ」

私の前に差し出された小さな白と黒の紙袋。それの中央には、まあ見間違えるはずもない、「CHANEL」という文字が描かれていた。なんだこれ

「なんですかね…これは」

「開けてみて」

「えぇ…」

話聞いてないのかこの子。あ、聞いてないか…

言われるがままに袋を自分の方に引き寄せ、留めてあったシールを注意深く外した。この大きさだったら、コスメとかかな？でも、引き寄せた時の重さが…ずっしりしてた。

中身はなにか箱が入ってた。真ん中から縦にパカンって開く箱。この箱、見たことある。家にもある…よね？だって、

「…香水？もし、かして」

「うん」

宏規くんはただ頷いて促すだけだ。ドキドキを胸に抱えながら、またもやシールを注意深く剥がし、箱を縦にパカりと開いた。

そこには、透明のガラスで、丁寧に設計された美しいフォルムの四角い瓶に「CHANEL No.5 L'EAU」と描かれたラベルの貼ってある、あの私の求めてやまない香水だった。