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「あ、おはようございます」
「おはよー」
洸さん…相変わらず爽やかな笑顔だな……ファンにもそれくらいの対応したらどうだ…とか心の中で毒づきながら、私は振りの確認を再開した。
現在の時刻は9時。稽古は9時半から。朝がものすごく弱いのに、頑張って自主練をしているのは、結局のところ、私が新人で下手だからだ。2時間前には起きたのに、まだ頭がぼーっとしている。眠い。
すると、洸さんが用意をしながら「あ」と零した。「そういえば昨日出た真剣乱舞祭のキャスト表見た?」と、こちらに目を向けずに言う。
………………………
…………は?
「え、そんなん発表されました?!」
「え、されたよ、夜の8時くらいに」
軽すぎて一瞬なんのことか分からなかった………え?推しリツイートしてなかったじゃん…サボるなよ………ってか推しでるの?こんなことわざわざ洸さんが言ってくるんだから源氏兄弟は出るんだよな?いやきっと出るはずだ、そうに違いない!
「で、兄者は出ますか?出ますよね多分!」
「ええ…いや、出るんだけどさ」
「よおしっ!!!!」と思わずガッツポーズ。これが稽古始まる前でよかった。こんな醜態、とてもじゃないが皆さんの前では晒せない。
「あ、絶対行くので洸さんも頑張ってくださいね!」
「ついで感すごいね」
洸さんは意外と笑う人だ。いつもはすました顔で、クールなこの人も、笑えば少年のように愛らしい。全く、イケメンはどんな顔をしてもイケメンだな。罪深い。
推しの真剣乱舞祭の出演を聞いて、私は稽古をする気力が湧いてきた。我ながらちょろすぎると思うが、推しというのはそれだけ大きな存在という事だ。
そしてノリにのった私は、本格的にアップを始めた。
┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄
「腰のケアをしっかりやってください。じゃあ今日は解散!」
「ありがとうございました!」
振り付けの先生の挨拶で今日の私の稽古は終わった。
ダンサーのうちの先輩、玲夏さんが「Aちゃん!」と駆け寄ってきた。私より2歳上だが、私より背が低くて、フレンドリーで可愛い先輩だ。
「今日、一緒にご飯食べに行かない?」
「え、いいんですか?行きたいです!どこ行くんですか?」
「それがね…」と言って、玲夏さんは声を潜めた。
突然の登場人物紹介(遅くてごめんなさい……(+_+))→←2
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ひよこまめ(プロフ) - 晴菜さん» ありがとうございます!長らく更新せずにすみませんでした……溜めていたのでバンバン更新(多分)します! (2019年10月25日 22時) (レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)
晴菜 - 続き楽しみにしています!無理せず頑張って下さい! (2019年10月21日 0時) (レス) id: 3c5af7941e (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 木綿さん» コメントありがとうございます!最近暇なので……(本当は試験が迫っている)きまぐれ更新ですが、付き合っていただけてありがたいです (2019年10月13日 5時) (レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)
木綿 - たくさん更新嬉しいです!!続きドキドキです〜〜 (2019年10月13日 1時) (レス) id: a9775c7f67 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - ゆさん» コメントありがとうございます!最近更新が滞っているのでどんな文句が…とビクビクしてコメント見ました笑とても暖かいお言葉、ありがとうございます。 (2019年10月6日 0時) (レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよこまめ x他1人 | 作成日時:2019年8月27日 4時