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ちょっとした話1 ページ29

「いきなりごめんね〜。宏規は迷惑かけてない?」


沈黙になる前に打ち破ってくれたいくみんナイス


「迷惑……という程じゃないけど、無茶ぶりに近いものが多いなーとは思ってるかな…」


私がそう言いながら遠い目をすると、いくみんは「あぁ…」と、察した顔をしてから笑った。どこまで話したんだ宏規くん………怖…


「宏規は素直やし、思ったことは言ってしまう質やから……たまには断ったほうがいいよ?もれなくしょげるけど」


「あはは。まあ、そんなに断る理由もないし、私には弱みみたいなものがあると思うからしょうがないかな」


「弱み?」



「うん……宏規くんのファンっていう弱み」



いかにもわかってなさそうな表情をいくみんが見せたので、「こっちには一方的な好意があるわけですよ。私の性格もあると思うけど、人に、しかもずっと応援してきた好きな人に頼まれたことはできるだけしてあげたいって思うのは一種弱みかなって」


私はそう言い終わってから、「これがファンってものだから」と仕方がないといった風に呟いた。いくみんは少し真面目な雰囲気で「それは…」と、何かを言いかけて黙った。



「あっ、全然気は遣わなくていいよ。なんでも言って」



「んー……わかった


……その、好きは応援したいっていう好き?それとも……」



衝撃だった。そんなことを聞かれるなんて。やっぱり、同業者になるほどなんだから、恋愛的な好意か……?、と考えるのだろう。
でも、私の答えはこうだ。



「わからない。


……でも宏規くんの迷惑になる好きは、絶対に伝える気は無いから」



見えないけれど、我ながら悲しげな表情をしていたと思う。


いくみんは、私の中にある、誰にも言っていないものを察してくれたのだと思う。
「ファンでいながら近くにいるっていうのも大変やな…」と言った。
本当にその通りである。宏規くんのためを思うなら、私は、恋愛的な好きは持たない方がいいのだ。自分が宏規くんを好きな意味は、そういうものでない、と昔から言い聞かせてきた。言い聞かせていれば、消えるわけでもないのだが。思い込んできたから、何とかやってきた。

でもどうして。どうして、そういう意味での好きを持たないでいられるんだろうか。
少なくとも私には無理だ。私は、彼という人に取り憑かれているほど好きで、憧れているのだから。でなければ、私は高校生の時、この仕事を目指さなかった。


自分でも笑ってしまうぐらい彼のことが"好き"なのだ。

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設定タグ:舞台俳優 , 三浦宏規   
作品ジャンル:恋愛
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ひよこまめ(プロフ) - 晴菜さん» ありがとうございます!長らく更新せずにすみませんでした……溜めていたのでバンバン更新(多分)します! (2019年10月25日 22時) (レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)
晴菜 - 続き楽しみにしています!無理せず頑張って下さい! (2019年10月21日 0時) (レス) id: 3c5af7941e (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - 木綿さん» コメントありがとうございます!最近暇なので……(本当は試験が迫っている)きまぐれ更新ですが、付き合っていただけてありがたいです (2019年10月13日 5時) (レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)
木綿 - たくさん更新嬉しいです!!続きドキドキです〜〜 (2019年10月13日 1時) (レス) id: a9775c7f67 (このIDを非表示/違反報告)
ひよこまめ(プロフ) - ゆさん» コメントありがとうございます!最近更新が滞っているのでどんな文句が…とビクビクしてコメント見ました笑とても暖かいお言葉、ありがとうございます。 (2019年10月6日 0時) (レス) id: dfe9b86821 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひよこまめ x他1人 | 作成日時:2019年8月27日 4時

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