151.モルガナイトの思慮 ページ8
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日が傾いた頃には練習を引き上げて、明日は陽花戸中サッカー部と練習試合をすることになった。星空の下、皆で夜ご飯を囲む。私の座っているところの逆側では、火を吹いて走り回っている目金くんと木暮くんがいて、苦笑いになってしまった。きっと、木暮くんが悪戯をしたんだろうな。
皆が、すっかり眠りに着いた頃。なんだか寝着くことができなくて、少しだけ、星空を見ようと外に出た。すると、本当に微かに。耳を澄ますと声が聞こえて、近くのキャラバンの後方側にもたれかかり、静かに話を聞く。声の主は、円堂くんと吹雪くん。雑談なら止めるべきだと思ったけれど、2人の雰囲気は、消えてしまいそうなほど静か。
「北海道の空は、もっと高かった」
「そうか」
「凍てついた空に、星が張り付いているように見えるけど。こっちはもっと近いように見える。アツヤとの距離も」
「え？」
「ううん。なんでもない」
誤魔化した吹雪くんは、イプシロン戦の時の自分の状態を聞き始めた。円堂くんは変ではなかったと、安心させるように言っている。吹雪くんのことは、ストライカーとして引き入れたのだから、話していることに間違いは無い。
そろそろ戻ろうとして、いつの間に近くに来ていたのか、立向居くんと目が合ってしまった。あまり、いい事をしている気分では無かったから、口元に指を持っていき、何も話さないように目で訴える。気が付いてくれたのか、円堂くんに呼ばれて行っても、私の話はしていないようだった。足音を立てないように、そっと皆の所へ戻る。
アツヤというのは、恐らく名前。星空を見て、距離が近く感じるというのは、北海道に残してきた人と同じ空の下、という意味か……考えたくはない、もうひとつの方か。
イプシロン戦では、どこが変だったか、と言われてしまうと、上手く答えられない。ここ最近で、思い当たる心当たりと仮説が増えすぎているから。
普段は柔らかな雰囲気を持っていて、サッカーをする時は、荒々しく強気になる。
吹雪くんのことを、こんなに気にかけてしまうのは、きっと、「立っているところ」が私と似ているから。あくまでも、すべては仮説でしかないけれど。
目を閉じても、夜に沈んでいくことはできなかった。
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セロハン - 表現などにすごく引き込まれました！ここら辺は見ていてとても悲しくなるので手が止まりそうになります。大変だと思いますが作者様のペースで更新頑張ってください！応援してます‼︎ (12月27日 21時) (
レス) @page17 id: 0fe5dcb2f7 (このIDを非表示/違反報告)
アイセ(プロフ) - 今日見つけ夜中だというのに楽しくて一気に読んでしまいました！この作品の更新を勝手ながら待たせていただきます…！アレスやオリオンという新作ではなく無印の夢小説を求めてた民としてはすっごく嬉しかったんです！続きを心待ちにしております！ (11月9日 4時) (レス) @page17 id: 6d7754e057 (このIDを非表示/違反報告)
女アスパラ - 主さん大丈夫ですか？私はこの作品が大好きです主さんのお話を読むことが何よりの幸せです‼主さんさんが投稿してくれてたら飛んで見に行きます‼この作品が大好きです更新ずっと待ってます (10月22日 19時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
ぱくちー(プロフ) - この作品がすごく好きで、何度も読ませていただきました。自分のペースでの更新で、無理なさらないでください！ (10月11日 1時) (レス) @page17 id: 57a1c57efc (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 150話おめでとうございます！相変わらずの更新速度ですねありがとうございます！ (9月30日 17時) (レス) @page7 id: ff30a51e0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M | 作成日時：2023年9月29日 14時
