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翌日。古株さんから、円堂くんのおじいさんのノートに関する情報を聞いて、福岡へ向かうことが決まった。
大阪を出発する時、リカさんも一緒に来ることになっていて。最初に会った時は、こんなに親しくなるとは思ってもいなかったのに。仲間が増えるのは嬉しいこと。円堂くんも、リカさんを歓迎していた。
いつも通り、ひとつ空けた隣の席には吹雪くん。話しかけるのが気まずくて、流れていく景色をぼうっと眺めていると、ふと、髪を触られる感覚がする。こんなことができるのは、このキャラバンの中で今は1人しかいなくて。髪に触れ続ける人に、顔を動かさずに問いかける。
「吹雪くん、どうかしたの？」
「ううん。今日は、話してくれないんだなって」
「……昨日、嫌なことしちゃったから。どんな顔したらいいのか、分からなくて」
「嫌なことなんて、されてないよ」
聞くにしても、もう少し、段階を踏んでから聞くべきだった。昨日の行動は明らかに避けられたものだったから、後悔でいっぱいになっているのに。吹雪くん本人は、本当に気にしていなさそうな声色で、ツインテールの毛先でくるくると遊んでいる。窓ガラス越しに、ちらりとその顔を見てみるけれど、柔らかな笑みを浮かべているだけ。
おずおずと、吹雪くんに向き直る。目が合うと、笑みが深くなって、本当に怒っていないんだなと分かった。私の心が、追い付いていないだけ。小さく息を吐いて、改めて口を開く。
「本当に、昨日はごめんなさい。聞かれなくないこともあるはずなのに、無神経だった」
「僕こそ、すぐに離れちゃってごめんね。少し、混乱していたみたいで」
「もう、聞いたりしないから。でも、力になれることなら言ってね」
「分かった、約束しよう。これで、仲直りかな？」
「私達、喧嘩していたの？」
「なんや？あんたら喧嘩したんか？」
後ろの座席から、ひょっこりと顔を出したリカさんを見て、吹雪くんを見て。
ううん。私達、喧嘩はしていないよ。2人で笑い始めたのを不思議に思ったのか、リカさんは分からないと言いたそうな顔をしていた。
窓の外が、レトロで温かさを感じる街並みに入った頃。もうすぐ、今回の目的地である、陽花戸中に到着すると声が聞こえた。
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セロハン - 表現などにすごく引き込まれました！ここら辺は見ていてとても悲しくなるので手が止まりそうになります。大変だと思いますが作者様のペースで更新頑張ってください！応援してます‼︎ (12月27日 21時) (
レス) @page17 id: 0fe5dcb2f7 (このIDを非表示/違反報告)
アイセ(プロフ) - 今日見つけ夜中だというのに楽しくて一気に読んでしまいました！この作品の更新を勝手ながら待たせていただきます…！アレスやオリオンという新作ではなく無印の夢小説を求めてた民としてはすっごく嬉しかったんです！続きを心待ちにしております！ (11月9日 4時) (レス) @page17 id: 6d7754e057 (このIDを非表示/違反報告)
女アスパラ - 主さん大丈夫ですか？私はこの作品が大好きです主さんのお話を読むことが何よりの幸せです‼主さんさんが投稿してくれてたら飛んで見に行きます‼この作品が大好きです更新ずっと待ってます (10月22日 19時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
ぱくちー(プロフ) - この作品がすごく好きで、何度も読ませていただきました。自分のペースでの更新で、無理なさらないでください！ (10月11日 1時) (レス) @page17 id: 57a1c57efc (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 150話おめでとうございます！相変わらずの更新速度ですねありがとうございます！ (9月30日 17時) (レス) @page7 id: ff30a51e0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M | 作成日時：2023年9月29日 14時
