155 ページ12
·
「雷門ファンの皆さん、お待たせしました！ここ、福岡の陽花戸中から、雷門中対エイリア学園第3のチーム、ジェネシスとの一戦をお送りします！」
黒い霧が晴れると、先程まで重たく感じた雲も一緒に無くなっていて、青空が広がっていた。
春奈ちゃんの隣に座って、円になる皆を見る。前まで一緒にやっていたことだからか、少しだけ寂しさを感じてしまう。
フィールドの方に目を向けると、基山くん……グランと目が合ってしまって、思わず逸らしてしまった。なんだか、本心が見えない、というか。宇宙人だから、実際はどうなのかは分からないけれど。じゃり、と地面を歩く音が聞こえて、気が付いたら、視界いっぱいに赤色。私の目線に合わせている、グランの髪の色。
「Aちゃんも選手だよね。出ないの？」
「色々、あって」
「そう」
「おい、何してるんだ！」
「ああ、ごめんね。少し話していただけだよ」
悠々とした足取りで、先程までいたポジションへと戻っていく背中を見る。大阪の時に私が話していたとしても、彼がエイリア学園ということは、いずれ分かることだった。けれど、何が最善だったのかは、どれだけ考えても分からない。
「行くぞ！皆」
「「おー！」」
今は、考えても仕方がない。試合を見なければ。
笛が鳴って、ボールを受け取ったリカさんが上がっていく。けれど、一瞬でボールを奪われてしまい、こちらのディフェンスを置いていくスピードで攻め上がられてしまう。外から見ていても、目で追うのが限界。本当にあっという間に、円堂くんとグランが1対1の状況に。
「いくよ、円堂くん」
「こい。ゴールは割らせない！」
必殺技を使わずに蹴られたシュートは、マジン・ザ・ハンドを簡単に破り、円堂くんを吹き飛ばし、ゴールネットを揺らした。信じられない光景に、雷門メンバーも、陽花戸中のメンバーも、皆が言葉を失う。グラン本人は、点を入れた側のはずなのに、なぜか驚いた顔をしている。
試合が再開されても、スピードに反応することができなくて。気が付いたら、抜かれている。グランにボールが渡り、2度目のシュート。今度は止める、と、意気込む円堂くんは、もう一度マジン・ザ・ハンドを発動する。けれど、先程と同じように軽々と破られてしまい、2点目を許してしまった。
·
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 230人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セロハン - 表現などにすごく引き込まれました！ここら辺は見ていてとても悲しくなるので手が止まりそうになります。大変だと思いますが作者様のペースで更新頑張ってください！応援してます‼︎ (12月27日 21時) (
レス) @page17 id: 0fe5dcb2f7 (このIDを非表示/違反報告)
アイセ(プロフ) - 今日見つけ夜中だというのに楽しくて一気に読んでしまいました！この作品の更新を勝手ながら待たせていただきます…！アレスやオリオンという新作ではなく無印の夢小説を求めてた民としてはすっごく嬉しかったんです！続きを心待ちにしております！ (11月9日 4時) (レス) @page17 id: 6d7754e057 (このIDを非表示/違反報告)
女アスパラ - 主さん大丈夫ですか？私はこの作品が大好きです主さんのお話を読むことが何よりの幸せです‼主さんさんが投稿してくれてたら飛んで見に行きます‼この作品が大好きです更新ずっと待ってます (10月22日 19時) (レス) id: 31d4d35068 (このIDを非表示/違反報告)
ぱくちー(プロフ) - この作品がすごく好きで、何度も読ませていただきました。自分のペースでの更新で、無理なさらないでください！ (10月11日 1時) (レス) @page17 id: 57a1c57efc (このIDを非表示/違反報告)
雨宮(プロフ) - 150話おめでとうございます！相変わらずの更新速度ですねありがとうございます！ (9月30日 17時) (レス) @page7 id: ff30a51e0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：M | 作成日時：2023年9月29日 14時
