可愛く生まれたかった。

私も… ページ15

みりかside


初めて抱いた恋心は抑えることもできず、胸の中で成長していった。


彼に会える度に胸がドクドクと音を立てて鳴った。


頬は赤く染まり、脳が「嬉しい」「好き」と叫んでいた。


そんな私とは逆に、私に会うたびに不機嫌な顔をする彼。


会えるのは嬉しかったけど、そんな彼の顔を見るのは やっぱり辛くもあった。


姉をいじめている時にも彼の顔が頭に浮かび、罪悪感も嫌悪感も いつもより大きくなっていった。


み「人を好きになるって、こんなにも苦しい事だったんだ」


放課後、自室に戻り、他人事のように考えながら、彼の顔を思い浮かべる。


ママも、パパも、母も。


皆、こんな想いをしていたのかな。


そう考えたところで、思考を中断させた。


虐待やDVを続ける父親の血を引いている私が愛する人に手を出す姿を脳内で思い描いてしまったのだ。


み「考えるのをやめよう。」


そう呟いて、ベッドに潜り込む。


その日は中々寝付けなかった。

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