俺がババアを好きな訳がない ページ5
「リーマス、何バカ言ってんだ…」
リーマスが変なことを言って俺はすぐに逃げ出した。
俺がババアを好きだって？
ババア、
A、
「A…、」
名前を呼ぶと何故か体が熱い
いやいや真逆
俺が？
ババアを？
なんで？
「あれ、ご子息様？」
おかしい
声を聞いただけだぞ
リーマスから言われてから変だ
「おーい。ブラックくんー？」
絶対変だ。
こんなの、知らない
授業で習ってないし
親からも教わってない
なんだ、これ
「シリウス・ブラック！！」
「なんだよ…！」
「ちょ、なんでそんなに顔赤くしてるの？」
「はぁ？！してねぇよ！」
俺は瞬時に顔を地面に向けた。
リーマスがホグズミードの時俯いてた理由がわかる
赤くなってる情けない顔なんて誰にも見られたくない
俺は心のなかでリーマスに謝った。
「にしてもなんで此処に？しかも一人で…あ、もしかして女の子と待ち合わせ？」
「ちげぇよバカ。リーマスと会って＿＿＿＿」
ダメだ
この話をしたら好きだとかなんとかって話さなきゃなんねぇ。
あんだけ冷たくしといて今更優しくすんのか？
無理だろ…
「ルーピンくんと会ったの？」
「あってねぇよ。」
「なんで顔をそらすの？」
「そらしてねぇって。それより、あっちいけ。」
「なんでよ。…あ、ルーピンくんとまた会ったらこれ返しておいて？」
「なんだこれ。教科書？」
「そう。私の部屋に忘れていってね。」
「！さっきまで部屋に居たのか？」
「そうだよ。例の薬をね。」
「そうか、……リーマスになんか言ったのか？アイツ、ブチギレてた。」
「あ〜、やっぱり？」
「何言ったんだ？」
「女々しいとか、生徒と教師にしては距離が近いね〜みたいな事を」
「お前……男に女々しいはダメだろ…」
呆れた
男に女々しいなんて禁句ワードだ
それにプライドもぼろぼろだな
「ま、これで良いよ。じゃあ教科書よろしくね。」
ババアはそのまま振り返って帰ってしまった
「おい！」
「ん、なに？」
「“犬”、好きか」
「うん。大好き。」
「あ、やっと帰ってきた！何処言ってたんだよシリウス！」
「ちょっとな」
俺がババアを好きな訳がない
しかし、俺の熱いまま体は真逆を言っていた。
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作者名：yuu／遊 | 作成日時：2024年1月8日 14時
