校医兼心理カウンセラー ページ23
「A校医になってから最初の卒業式どうでしたか？」
「そうですね、なんだか胸打たれるものがありました。」
「良い経験をしたの。良いことじゃ良いことじゃ」
初めての卒業式に
21歳にして人生初の告白
…濃厚な一日だった
「では儂らも祝うとしよう。乾杯」
珍しく机を囲うように座り教員だけで食事を始める
「所でポピーよ」
「なんですか？アルバス」
「Aの仕事ぶりはどうじゃ？」
「それは素晴らしいですよ！！」
動かしていた手を止めマダム・ポンフリーは顔をキラキラさせながら、校長の方へ体を向けた。
「本当ですか？嬉しいです」
「Aは優秀ですからね。学生の頃からそうですから」
「Aはどうじゃった？」
「そうですね、校長先生のお陰で研究もかなり進みましたし、狼付きの多くの方に依頼をもらえています。」
魔法省との契約もありプライバシーは完全に保護され、あの“ニュート・スキャマンダー”の力も借りている。
夢が叶えられて良かった。
「でも、最近良く思うのが夢を叶えてしまったのでその後はどうしようかと。」
死ぬには早すぎる気もする。
「新しい夢を見つけに行くことは大事じゃよ。それでの、一つ提案があるんじゃが」
「なんです？」
「君に新しい仕事を任せたい。それは生徒たちのメンタルケアじゃ」
「心理カウンセラーですか、私に務まるでしょうか…」
「その歳で経験豊富な君だからこそ任せたいんじゃ」
経験豊富といってもこれと言えるものはない。
人間、悩みを話せばある程度ストレスは減る。
こんな私でもなにか協力できるのなら……
「わかりました、そのお仕事承ります。」
「うむ。では新学期からよろしく頼む。」
「はい。先生方もなにか悩みがあったらお聞きしますね」
「頼りにしてますよ」
マクゴナガル先生はニコリと微笑みながら言ってくれた。
「そろそろ失礼しますね。皆さんおやすみなさい。」
「もうこんな時間ですか…楽しいと過ぎる時間が早く感じますね。おやすみA」
大広間を後にし私室へ向かった。
「心理カウンセラー…か。」
ルシウスの気持ちも理解できなかった私に
ルシーの優しさに気づかないふりをした私に
「務まるかなぁ…」
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作者名：yuu／遊 | 作成日時：2024年1月8日 14時
