〜34〜 ページ35
「聞くけど、戦えるの？」
『微妙かなぁ』
「なら、引っ込んでなさい。私が一気に片付けるから」
『出来るの？』
「もちろん。“夢の中の幻・悪夢の幻聴”!!」
ぶわりと嫌な風が頬を撫でた
ぐわんと揺らぐ視界
そしてバタバタと倒れる音
腕を引かれる
ダメだ...意識が持たない...
そして私の視界、意識は闇の中へ落ちた
「A様、貴女様の実力であればこれくらい...やはり、奴のせいでしょうか...」
私の実力が足らぬばかりに...
貴女様に多彩なご迷惑をおかけしている始末
やっと...お力になれる時が来たと思えたのに...
「お前、能力者だったのか。ベネラ」
「船長さん...あまりその名を軽々と仰らないで頂きたい」
「Aの意識はねぇだろ」
「左様ですか…」
「...お前らは何者なんだ？」
船長さんに悪気などない
それでも、私達が何者かを申し上げるのは恐ろしいのですよ
「秘密です」
「いつもそれだな」
「私達の事を知ったからと、貴方には何も出来ない。役目を終えれば別れる私達の事を貴方はいつまでも覚えているわけがない」
「何を根拠に」
「忘れていく。それが“人間”」
「あ？」
「100年生きれば分かること。孤独の意と、忘却への恐怖に」
軽い踵を返して私は背を向けた
「おい、説明しろ」
そう叫ぶ船長さんに振り返らず
ただ知らない場所を真っ直ぐと
腕に抱えたA様は軽かった
私が鍛えていることも理由に含めても軽い
今まで、どれだけ苦しかったのでしょうか
この細い手足には、どれだけの負担をかけたのでしょうか
食べ物が喉を通らない日々が続いたことでしょう
何も出来なかった自分に腹が立つ
この方の側近として努力してきた
それなのに、守りきれずに何年も
貴女は私を覚えていてくださいましたね
それがどんなに嬉しかったことか
それもこれも、深い眠りについた今の貴女には理解出来ない
例え、例え貴女が...
我が国における王の最大の仇の結晶だしても
軍事国家の為に“造られた”存在だとしても
私にとっては、大切な主なんですよ
この命を貴女に尽くすことが
私の最高の幸せなのですから
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リンドウ(プロフ) - ゆーじさん» わー、ありがとうございます！！ドフラミンゴは予定外で書いた自分も少し動揺している現実...!!今後をどうしようかすっごい悩んでるんけど、色んな人に楽しんでもらえるよう頑張りマース！ (2017年9月21日 18時) (
レス) id: 4a1d08d84e (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - ドフラミンゴ…！！ヤバいね…ロー夢主ちゃんを信じてあげてくれ…。いや、自分すら相当動揺したよ…！！リンドウ様のストーリーは本当に奥深くて染みるよー！更新楽しみにしてます！！リンドウ様最高です！！ (2017年9月20日 23時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - リンドウ様だぁぁあああ！！やっぱりこの手の作品、リンドウ様上手すぎてもう…！！書きたいけれど文字に出来ない自分の脳内にあるネタ書いて欲しい…ッ！！ ラミちゃんネタなんだけどね… あああもう本当にリンドウ様尊敬してるよー！！ リスペクト１００乗だよー！ (2017年9月12日 23時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ(プロフ) - ゆーじさん» 夜じゃないけど、こんばんはー！！間違ってないよ、本人だよ！ゆーじさんのコメくると本当に復活したんだって思えて超テンション上がってまする！また遊びにきてくださーーい！！ (2017年9月12日 7時) (レス) id: 4a1d08d84e (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - こんばんはー！間違ってたらごめんなさい！リンドウ様…？ですか？作風も自分の好きな作者様と似ていてスゴい好きです！！特に目的の為に犠牲があるという葛藤、リアリティーある心の揺れの描写がとても好みです！！また絶対遊びに来ます！！ (2017年9月11日 22時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リンドウ
| 作成日時：2017年8月6日 9時
