鏡に映る自分 ページ14
◯
目が覚めると私は廊下で倒れていた。
今日もちゃんと生きている。
それが起きて1番最初に思った事だった。
立ち上がるのもやっとで、壁に触れながら立ち上がった。
もう父親の姿は無かった。
時計を見ると8:15を指していた。
今日はどうせ遅刻するだろうと思って、呑気にお風呂に入った。
髪の毛を洗おうと頭を触ると、大きなコブが出来ていた。
私はふと、お風呂の中の鏡に映る自分の姿を見た。
そこには目を逸らしたくなるほど汚い私の身体が映っていた。
見慣れてはいるものの、その姿を見ると虚しくなってしまう。
お風呂を出て、髪の毛を乾かして、身支度を済ませた。
何も食べる気にもならなかったから、そのまま家を出た。
顔の傷が酷くなっていたので、コンビニでマスクを買って学校に向かった。
学校に着いたのは10:00ぐらいだった。
遅刻届を職員室に出した時に、相澤先生に大丈夫かと聞かれた。
私は平気ですと個性を使って嘘をついた。
先生はそれ以上何も聞かなかった。
教室に入っても、数人のクラスメイトは私のマスクを見て、風邪でも引いたのと聞かれた。
けれど、私は得意の嘘でニキビが増えたからとヘラヘラ笑ってみせた。
午前中は座学だった。
頭を使わない教科ばかりだったので、ただ黒板に書かれ文字をノートを書き写していた。
午後は体操服での戦闘訓練だった。
気合で頑張るしかないと思った。
私はいつも通りお茶子ちゃんに先にグラウンドに行っててと言って、一人で体操服に着替えた。
高校入学時に嘘をついて特注した長袖のジャージを羽織って、グラウンドに向かった。
私がグラウンドに着いてから数分後、相澤先生が到着した。
そして、相澤先生が今日の授業を説明を始めた。
けれど、私は立っているのもやっとで何を言っているのか話が入ってこなかった。
だんだんと、身体が動かなくなっていくのが分かった。
バタン。
多分、私は倒れたんだと思う。
倒れた瞬間、薄く意識はあった。
けれど身体は動かなかった。
みんなが駆け寄って来るのが最後に見えた。
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ゆのん(プロフ) - 感動しました。私自身、前の父親にそれに近い事をされていたので、自分の話のように感情輸入出来ました。 (3月13日 17時) (
レス) @page45 id: 9b31ba286d (このIDを非表示/違反報告)
脅威のセラフ - とても素敵な作品をありがとうございました。私は病気を患っているので勇気が出ました！ (2020年7月12日 19時) (レス) id: 285d3eca52 (このIDを非表示/違反報告)
美琴(プロフ) - お話がとても深くて素晴らしかったです！ (2020年5月10日 16時) (レス) id: 8087b8e5a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるちこ | 作成日時：2019年9月23日 0時
