酷い顔 ページ2
◯
ピピピピ、ピピピピ。
無機質なアラームが音を立てる。
顔まで被った布団から手を伸ばし、乱雑に時計を探す。
硬い何かを見つけ、器用にアラームを止める。
時計の針は5:30を指していた。
あとひと眠り、そう思いながら布団にまた潜り直す。
すると、今度は携帯のアラームが鳴った。
流石に起きなければと思って布団を剥がした。
ベッドの上で身体を起こし、大きなあくびをしながら、伸びをする。
ベッドから抜け出して、部屋のカーテンを開けた。
外はまだ薄暗い。
『今日も酷い顔。』
洗面台の鏡に映った自分の顔を見てそう思った。
歯磨きをして、髪の毛をといて、顔を洗って身支度をする。
自分の部屋に戻ってジャージに着替えた。
財布からお札を1枚取り出してポケットに忍ばせた。
数分歩くと河川敷に着く。
筋を伸ばしたり屈伸をしたりして準備運動をした。
この頃になるとやっと目が覚めてくる。
私はゆっくり走り出した。
犬を散歩している人もいれば、老夫婦で仲睦まじく歩いている人もいる。
毎朝、会う人達はだいたい決まっているので、すれ違う人に適当に会釈をする。
川の流れる心地良い音を耳にしながら無心で走り続ける。
30分以上走り続けると流石に疲れてきた。
そろそろ休憩しよう、そう思って河川敷のすぐ側にあるコンビニに行った。
おにぎり2個とプロテインという不似合いな組み合わせのご飯を買って、また河川敷に戻った。
ザ────。
自然の音が1番よく聞こえるお気に入りの場所。
毎日川の側のベンチに座る。
『いただきます。』
1人寂しく手を合わせておにぎりを頬張った。
たまに心地良い風が私の頬を撫でた。
『ご馳走さまでした。』
おにぎりを食べ終え、プロテインを飲み干した。
河川敷においてあるゴミ箱にコンビニの袋ごと捨てて、家に向かった。
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ゆのん(プロフ) - 感動しました。私自身、前の父親にそれに近い事をされていたので、自分の話のように感情輸入出来ました。 (3月13日 17時) (
レス) @page45 id: 9b31ba286d (このIDを非表示/違反報告)
脅威のセラフ - とても素敵な作品をありがとうございました。私は病気を患っているので勇気が出ました！ (2020年7月12日 19時) (レス) id: 285d3eca52 (このIDを非表示/違反報告)
美琴(プロフ) - お話がとても深くて素晴らしかったです！ (2020年5月10日 16時) (レス) id: 8087b8e5a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるちこ | 作成日時：2019年9月23日 0時
