91話 No.1ヒーローの助言 ページ16
相澤side
「くそ.....」
「.....相澤君、ちょっと良いかい？」
ちらちらとこちらを伺いながらオールマイトさんがやってきた
「.....なんです、お叱りか何かですか.....」
「いいや！そんなことじゃないさ.....私がUSJで、君とAちゃんを助けたときね.....彼女、こう言ったんだよ、"オールマイトさん、相澤さんは....."ってね！大丈夫だと言ったら、安心したように眠っていたよ」
「.....！」
その言葉を聞いた時、身体に電流が走るような.....そんな熱い何かがほとばしった
「自分もボロボロで、呼吸も浅くて苦しかったろうに.....彼女は、君の事を一番に心配していたんだよ、相澤君.....私はね.....心配してくれていた人の気持ちを蔑ろにしてここまで来てしまった、でも.....君はまだ間に合うんじゃないか？」
No.1ヒーローの言葉、普段はにこやかにしているのにこの時はずっしりときた
「.....そう.....ですね.....でも、俺は.....彼奴が自分を犠牲にしてまで人を救うのを、見ていられないんです.....自分からヒーローの道を進めたのにこれじゃあ.....ダメですね.....」
俺がそう言うと、俺の肩に手を置きながらオールマイトさんは呟いた
「そうだね.....私も、周りが傷つくくらいなら.....自分が傷ついた方が良いと思ってしまう性分だから人の事を言えないんだろうけどね、きっとAちゃんは相澤君だからこそ、余計に守りたいと思っているんだろうし、君だってそうだろ？」
「まぁ.....はい.....」
その問いかけに頷くと「やっぱりね」と笑いながらこう続けた
「彼女が自分を犠牲にしてしまうのなら、君が守ってあげれば良い.....だけど、それには限界があるね、でもね.....今の彼女には沢山の仲間がついているよ」
俺は、その言葉を聞いた瞬間外れていたものが、また元に戻ったような感覚におちいった
「轟少年がAちゃんの事姫抱きにしてたのはおじさん驚いちゃったけどなぁ！」
「.....ふざけないでください.....折角の良い話が台無しでしょう.....」
「え！？今の良かった？先生っぽかったかな〜！私〜〜！」
さっきまで真面目な話をしているとは思えないほど、顔がにやけていた
「良かったわ！オールマイト！青臭くて！」
「やっぱり！嬉しいなぁ〜！」
「.....ミッドナイトさん.....のっからないでください」
まぁ、今日の話は合理的で有意義だったかもしれない
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作者名：雪乃 Kei | 作成日時：2020年3月8日 15時
