78話 蹂躙 ページ2
「.....ん、ここは.....広場.....？」
モヤの男の個性で飛ばされたのは、敵が沢山いる広場だった
「A.....！！」
敵と交戦しながら私の姿を捉えた相澤さんの表情は目は見えないものの歪んでいるように見えた
「こんなか弱そうなのがヒーロー志望たぁ驚きだねぇ」
「この嬢ちゃん好きにして良いのかなぁ？」
私も例外ではなく敵に囲まれていた
「.....どけ.....」
「.....あ？んだて.....ぐはぁ！」
「そこをどけ！！換装！天輪の鎧！！」
私はもう周りが見えなくなっていたのだろう
無数の剣を操って敵を蹂躙していった
「.....はぁ.....まだ.....こんなにいるの.....」
「そうだよ.....なんせ俺が集めた兵隊どもだからなぁ！」
後ろからねっとりとした声が聞こえた
とっさに避けたが、肩に違和感を覚えた
「.....！鎧が砕けて.....！なんで.....」
あの男に触られた肩の部分がボロボロになっていた
「俺の個性は、五指が物に触れると崩壊させる.....すげぇ個性だろ！！お前に見せるのは2回目だったなぁ.....」
薄気味悪い笑みを浮かべながら自慢げに言った
「.....私と貴方に何の関係があると.....いうの.....」
私は震えた肩を抱きながら呟いた
「お前は俺と一緒だった.....なのに.....何で！なんでお前はヒーローになろうとしてるんだよ.....！ふざけるな.....！」
「.........うぅぅ......あぁあぁぁぁ.....」
その男の言葉は私の心を重くしていく
次第に私の身体は動かなくなっていった
「.....お前は俺の.....」
(抱きしめられてる.....いや.....だ....離.....せ.....！！)
敵の思うがままにされているのに私の身体は動かない
なんで.....なんでなんでなんで！！！
このまま.....連れていかれちゃうのかな.....
その瞬間、男は拳によって吹き飛ばされていた
「A.....大丈夫か.....？」
「あ.....いざ.....わ.....さ」
私を横にした相澤さんの顔はさっきよりもっと歪んでいた
「やっぱりヒーローか.....邪魔しやがって.....お前から消してやる」
私は.....守られて.....ばかり
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作者名：雪乃 Kei | 作成日時：2020年3月8日 15時
