28話 (ジェハ視点) ページ30
‥‥ハッ
目を覚ますと天井が目に映る
外は明るく日の光が差し込んでいた。
ん‥‥?
片方の手にぬくもりを感じる
誰かに手を握られて‥る‥‥
って‥え!?
ちょ、待って!?
何で、シオンが僕の手を握ってるの!?
手を振りほどこうとしても
僕の手をしっかり握ってるから離れないし‥‥‥‥
まぁ、たまには‥いいか。
シオンもぐっすり眠っていることだし。
サラ‥‥僕はシオンの髪をなでる。
‥‥珍しく髪を下ろしてる。
こうして見ると大人っぽく見えるシオンに
胸がドキドキしてしまう。
「すう‥‥すう‥」
シオンと反対方向から寝息が聞こえて
そちらに視線を向けると
なんとヨナちゃんが近くで寝ているではないか
「‥‥まいったな」
「‥‥‥‥‥‥‥。」
そう呟くと無言のハクが、視界に入った
無言の訳はだいたい察しがつく
「‥‥そんなに恐い顔しなくても
ヨナちゃんを取って食いはしないよ」
「ばーか。誰も んな心配してねーよ
てか、てめぇにしては軽率だったんじゃねェの
遊郭行ってヤバイ物 飲まされるなんてよ」
「飲まされたんじゃない
飲んだんだ」
「‥‥‥ワケありでも、駄目だ」
「 ‥ごめん。」
「あと‥タレ目
シオンって‥本当は四龍の一人でしたー
とか言わねぇよな」
ハクにしては、面白い冗談だね
思わず笑いそうになったけど本人は本気
だから真面目に答えないと
ハクの拳は、クるからねー
「どうなんだよ?」
「いや、そんな筈はないよ
少し身体能力が高めの普通の女の子だろ」
「‥‥普通の女の子が突然、風を巻き起こしたり
てめぇの禁断症状を止められると思うか?」
「シオンが‥‥‥」
何か、あるね。それは
それに、シオンの抱える事はそれだけじゃない
僕が麻薬のせいで、フラフラになって店から
出たときに会った女の子が
"緑龍 貴方達にはもう会いたくない と
お伝え下さい"
と言っていた。あの子がイオリちゃん‥
「ジェハ!気が付いた!?」
「体、大丈夫!?」
気がついた皆が駆け寄ってくる
「平気‥」
心配かけないように上半身をおこした
「寝てろ」
ぐいっ、と押し戻されてしまった。
「そうだ!寝ていろ!」
「寝てなさいっ」
君達にも寝て欲しいんだけどな
「‥‥なんか、危ないよね。ジェハは」
「アブナイ アブナイ」
「外に出さぬ方が良いな」
「二度と阿呆をしないように躾が必要だな」
「縛っとく?麻酔針もあるよ」
え‥ちょ、まっ‥
さすがに今の体力でそれはっ‥‥
こんな騒がしい中でも
ぐっすりと寝ていられるシオンが羨ましいよ
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作者名：暁風の夢 | 作成日時：2015年11月28日 23時
