緑の風を追って (ページ24)

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23話ページ24

「緑の髪の女の子
シオンの知り合いかい?」
見てたんだ‥
皆、気づいてないかと思ってたけど‥
「言いたくないことなら
無理しなくてもいいよ」
私が答えるのに迷っているとジェハが
声かけてくれた。けど
いずれ、話さないといけないと
思ってたことだから‥
「いいの。大丈夫。
あの子は"イオリ"って言って私の妹だよ」
「え‥シオンに妹がいたの?」
ジェハは私の妹だなんて
予想外だったようで驚きを隠せてないみたい
「うん
私がジェハと会う前に家の都合で離れて暮らす事になってね」
「そうだったんだ‥」

家の都合だなんて嘘だ
イオリと離れたきっかけとなったあの事件を
話す勇気がまだ、無い‥
それが情けなくてたまらないけれど。

「姉ちゃん。俺は皆に会う前に
"イオリ"という名を聞いたことがある。
驚く内容だと思うけど話していいか?」

イオリに関する驚く内容‥
姉としてイオリのことならば知っておきたい

「いいよ。聞かせて」
私はそう答えた。
それを見てゼノが頷く
そして、話してくれたことは
私の予想を遥かに越えていたものだった

「イオリは新王の妻になる人の名前
‥空都でその噂が持ちきりだった。」

新王の妻‥
いずれ、イオリが王妃となる‥‥!?

私は衝撃的すぎて言葉が出なかった

「‥王の妻になるほどなら‥‥シオンと別れてから王城にいたのかも‥しれないね」
ジェハが
言いにくそうに言葉を紡ぐのを聞いて
私は、ハッと気づかされた。

王城‥‥緋龍城にいたならば
きっとヨナやハクとも関わりがあったのかも

言えない

イオリの姉が私だなんて
ヨナとハクには言えないよ
だってイオリがスウォン側にいるなら
あの、ヨナの誕生日の日には‥‥

「‥イオリちゃんにも何か事情が
あったのかもしれない。

シオン、1人で苦しまなくても大丈夫だよ」

ジェハ‥

ジェハの言葉が頼もしくて
思わず涙が出そうになる

「あーゼノ
白龍達の様子見てくるからー」
と、声をあげて皆の所に戻っていくゼノを
見送ってから気づいた

‥‥ゼノもいたんだったっ。
完全に存在を忘れてたぁ‥‥

「ジェハ私はいつか
失ってしまつた日々を取り戻したい
その為に‥‥手伝ってくれる?」

「もちろん。
このままで良いはずがない
ヨナちゃんやハク、シオンもね」
「ありがとう」
私だけでは無理かもしれないけれど
ジェハと、2人なら‥出来る気がする

イオリ

貴方がどんなに遠く離れていても

私は、その緑の風をずっと、追いかけるから

また手を取り合えるその日まで