緑の風を追って (ページ20)

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19話ページ20

私達が追いついた頃は
戦いの終盤
千州軍が退却を始めた頃だった

「千州のリ・ハザラ
大人しく去れ
高華国に侵入し、この上まだこの地の人々を
脅かすならただではすまぬと思え」
ヨナの声は迫力があり
私でもゾクッと身震いする。さすが‥ヨナ‥!
「空の兵士‥‥ではないな?蹴散らせ」
ハザラぬ命令でヨナハクに襲いかかろうとする
兵士にむかってキジャが飛び出し
間に割って入る
「な‥!なんだあの手は‥!!」
巨大化したキジャの龍の爪を見て兵士達は
口を揃えて「ば‥ばけもの‥」と言った。
「射て!!射てー!!」
兵士達に号令がかかるが
私は暗器を構えて跳び上がった。
それはほとんどジェハと同時だったかも
「飛んでる‥!!」
と驚く兵士の言葉の直後
構えていた暗器を投げつける
ジェハと私の暗器の雨。
対抗するすべもない兵士達は
「うわあああ」と叫び声をあげるだけ。
そしてハクとシンアも加わった。

私は手加減しつつ
戦闘の勘を頼りにひたすら倒す

そして見つけた
ハザラのもとに辿り着く兵と兵の隙間
私は一点に意識を集中させて駆け出す
襲いかかる刃を全て避けきり到達すると
思いっきりハザラを蹴り飛ばした。

「去れ。ハザラ」

ヨナの意向だし手加減はしたが
次は、手加減出来なくなる。
「ハザラ様!!」
まだ余力のある兵が襲いかかってくるが
私を庇うように空から舞い降りた姿に
目を疑った。
「ジェハ‥!?」
「撤退するよ。
ハザラに対してはこれぐらいでいい」
兵を蹴散らしつつ私はジェハと
その場を切り抜ける。

胸のドキドキが収まらなかった。
次はスジン軍との戦いが待っている。
こんな事考えては気の緩みだというのに‥!
思わずにはいられない。
どうしてこの人は‥
いつも私を助けてくれるんだろう。

好き
私はジェハが大好き