緑の風を追って (ページ19)

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18話ページ19

「恐ろしい ‥
あの地下道クモの巣だらけではないか
ジェハ、取ってくれ」
「ふはっ白龍糸だらけ～」
「僕、美しくないモノには
触れたくないんだよね。シンア君任せた」
「ジェハも、ついてるよ?クモの巣‥」
「あ‥‥」
「シンアはクモの巣どころかクモだらけだな」

「おまえら何者だ?」
突然現れた私達に千州の兵達は警戒している。
「化け物ですよ」
ジェハに兵達の注目が集まる中
私は強く一歩を踏み出し一瞬で兵達との
間合いをつめる。
「大人しくお引き取りくださいね?」
その勢いに乗ったまま大きく足を蹴りあげると
それを受けた兵達が周囲の兵達を
巻き込みながら吹っ飛んでいった。
そして、大きくジャンプし、もといた所に
着地する。
「何‥‥‥!?」
私が距離をとってから気付くなんて
兵達、反応速度遅すぎ。いや、私が速いのか
「シオン、やるね～」
まぁね♪
私はスピードでは誰にも負けない自信がある
「じゃあ俺らも暴れますか」
「うむ!」
こうして乱闘が始まった。
時々、兵達の天幕にヨナから火矢が放たれる

ハッ
シンアは何かに気づいたように後ろを振り返る
「軍勢が‥‥」
スジン将軍の軍が来たみたい。
じゃあ退散しないと‥
「シンア?どうした?」
シンアの様子にキジャが声かける
「軍が、こっちに来ない
火の部族の兵‥と千州の兵‥
南西へ向かっている」
前に見た夢がフラッシュバックする。
まさか

私達はとりあえず安全な所まで退散した。

シンアから火の部族の兵の様子を聞いて
予感は確信に変わった。
火の部族の兵に怪我人はあまりいないようで
戦っておらず、ただ南西に走っていたという。
「つまり、答えは?」
「つまり、あれだね
カン・スジンはリ・ハザラと手を組んでいる」
「そして、本当のねらいは緋龍城
敵国と通じて王座を狙っている」
どうする‥!?
相手は二万の軍勢
それに、あの夢では空の部族軍が
戦闘をしていた。
スウォンはこの反乱に気付いてるだろう
私達が行くまでもない‥!
「ヨナ、今回は様子見よう?
相手は二万の軍勢さすがに無茶だよ」
「‥ヨナ。いくら何でも手に負えないよ」
私とユンが止めるも
ヨナは、はっきりと告げた

「スジン将軍とリ・ハザラを追う」

城から追われる身なのに人々の為に
危険な渦に飛び込もうとするヨナ
そして気づいた
私がすることは止めるのでは無い‥!
すべき事は、ヨナを守ること。
この少女には
決して傷を負わせてはいけない

"あなたが危険に飛び込むならば
私はあなたの矛や盾となる"