緑の風を追って (ページ2)

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1話ページ2

15年前
緑龍の里

キィ‥
里人さえ立ち寄らない小屋のドアが開く
「ジェハ!おはよう」
「シオン‥また来たの?」
ドアから顔を出した少女の声にジェハは答える
「うん。また来た♪」
「何で来るの?
里の皆は決して近づかないのに‥」
ジェハの質問にシオンは即答した
「だってジェハに会いたいから」
「変な奴。僕に会っても得にもならないじゃないか」
「私はここにいたいの!
だって外に出ても、お母さんもお父さんも ‥
もういないもん。
それにね、私も‥嫌われ者だから‥
ここしか居場所無いんだよ」
そうやって、シオンは寂しく笑う

私の故郷は
ジェハと出会えたところ
けど、ジェハ以外の大切なものは‥
全て失った場所‥だった

ん‥‥‥。
目が覚めると、森の中
ああ、野宿してたんだっけ?

ずいぶん昔の夢を見たな‥
あれから私が10歳になった時
先代緑龍、ガロウの助けもあり里から逃げ出した
ジェハと一緒に
けど、途中で盗賊に襲われて逃げる途中に
離ればなれになってしまった。

あれから、13年
彼は何処にいるのだろうか?
早く会いたい‥
それだけを目的に私は旅をしている

あっ‥見えてきた

火の部族領加淡村