追いかける背中に ページ33
影山
・・・・・・。
仲良さげな烏養さんと奥村サンをみるとモヤモヤしてくる。
視線をずらすと体育館の窓枠によじ登る日向が見える。
・・・ナニしてんだコイツ。
日向「あっ!!アサヒさんだっ!!」
その後、強引に参加が決まったアサヒさん。
いざ町内会との試合を始めようとすると烏養さんは俺たちを見回す。
繋心「オイ。烏野のセッター1人貸してくんね??」
菅「……」
黙って相手コートへと歩くスガさんの背中。
まだその背中を追いかけ始めたばかりの俺。
影山「俺に譲るとかじゃないですよね」
菅原「……」
違う。
俺はこの人の背中を追っているんだ。
まだ届かない場所にあるアナタの背中を。
影山「菅原さんが退いて俺が繰り上げ・・・みたいなの
ゴメンですよ」
俺はちゃんと
努力して練習してアナタに並びたい。
菅原「・・・俺は・・・影山が入ってきて・・・正セッター争いしてやるって思う反面どっかで・・・ほっとしてた気がする」
俺からは菅原さんの背中しか見ることが出来なかったけど、その肩は少し震えてみえた。
菅原「セッターはチームの攻撃の''軸''だ。1番頑丈でなくちゃいけない。でも俺は トスを上げることに・・・ビビってた・・・」
・・・・・・
菅原「俺のトスでまたスパイカーが何度もブロックに捕まるのが恐くて圧倒的な実力の影山の陰に隠れて
・・・安心してたんだ・・・!
スパイクがブロックに捕まる瞬間考えると今も恐い。
けど。」
震えて見えた菅原さんの背中がシャッと伸び、
アサヒさんを見据える。
菅原「もう一回俺にトスを上げさせてくれ 旭 。」
セッターにトスを上げたいと思わせる
アタッカーであるエース。
信頼し合って初めてちゃんと打たせられる、打てる。
ボールの重みはどこまでも軽くて重い。
菅原「・・・だから俺はこっちに入るよ 影山。
負けないからな」
……っ!!
そう言って振り返った菅原さんの顔は清々しくて輝いてた。
影山「俺もっス」
さぁ。
エースと対決だ…!!!
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作者名:ツナ缶本仕込み | 作者ホームページ:http://@ya love
作成日時:2021年10月1日 20時