及川さん ページ2
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第2セット。
金田一「……あ…え?」
日向&影山「「っしゃ!!!」」
本調子に戻ったオレンジ君と影山の変人速攻が決まり、案の定相手の青葉城西とギャラリーは一気に騒がしくなる。
そんなこんなで無事に第2セットを取り互いに1セットずつ。
菅原「…青城に…影山みたいなサーブ打つ奴居なくて助かったな…」
澤村「…あぁ…ウチはお世辞にもレシーブ良いとは言えないからな」
そうだ…今だってギリギリの状態なんだ。
第3セットを見据えている先輩たちの傍で両腕を上げ、シューズをキュッキュと鳴らし騒ぐ田中さんとオレンジ君。
田中「逆転勝利!!」
日向「ショーリ!!」
勝利が見えることは戦う戦士にとっては嬉しいこと。
でもまだ。
影山「油断だめです。」
相手は“ 青葉城西”。
影山「多分…ですけど…
向こうのセッター 正セッターじゃないです。」
いつも強気の影山が神妙な面持ちで遠慮がちに告げる。
でもその目は鋭く相手を見据えている。
「「「えっ?」」」
ピーーーーーッ!!
??「アララッ 1セット取られちゃったんですか!」
…ホラ。
油断大敵。油断禁物。
監督「おぉ!戻ったのか!足はどうだった!」
及川「バッチリです!もう通常の練習イケます!軽い捻挫でしたしね」
細く長い靭やかな手でOKマークを作りニッコリ微笑むと、ギャラリーは第1セットや第2セットと比にならないくらい騒がしくなる。
「「きゃー!!及川さ〜ん!!やっと来たぁ〜!」」
突然騒がしく一瞬で黄色い声援に飲まれた烏野のみんなは、何事だっ!と慌て始める。
なんなら女子だ女子の声だ!と騒ぎ出す田中さんとオレンジ君。
監督「まったく…気をつけろよ___及川。
向こうには「影山だせ」なんて偉そうに言っといてこっちは正セッターじゃないなんて頭上がらんだろが!」
OKマークを作っていた手で照れたように頭を書いてニコニコしてみせ、黄色い声援には笑顔をおくる。
田中「影山くん。あの優男誰ですか。ボクとても不愉快です。」
目をギラギラさせて影山に詰め寄る田中さんに、影山は及川を警戒するようにじっと見ながら口を開く。
影山「…“ 及川さん”…」
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作者名:ツナ缶本仕込み | 作者ホームページ:http://@ya love
作成日時:2021年10月1日 20時