▫️俺のことを見て ページ26
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学校内に響く鐘の音が午前の授業が終わりを知らせ、昼休みに入るなり凪くんから声をかけられる。
「A、ご飯」
「え、玲王と一緒に食べないの？」
「今日は他のやつと食うって。だから一緒に食べようよ」
あの一件から三日目。
玲王とは部活動以外で関わりを持つことが少なくなっていった。
一方で凪くんは以前よりもすごく私に声をかけてくれるようになった。
前々から気にしてくれていたけど最近の凪くんは特にすごくて。
「屋上行こ」
お弁当片手の私の手を引いて凪くんは先導を切っていく。
何より心と体の距離感が近いというか…こんなにも凪くんって積極的且つ行動的だっただろうか。
毎日心が持たない……
屋上に辿り着き、二人で日陰となる場所で昼食お披露目会。
「凪くんは今日もメロンパン？」
「うん。Aは弁当？」
「そうだよ」
「食べたい。ちょうだい」
大柄な身体であーんと口を開けて待つ凪くんの姿。
出会った頃は可愛らしいって目で見ていたけれど、今ではそういう目で見ていられない。
だって思い違いじゃなければ多分、凪くんは私のことーー
「ーーーA？どうかした？」
いつまで経ってもおかずがやってこないことに疑問を抱き、凪くんは不思議そうにぐいっと顔を近付けてくる。
さらりと揺れる凪くんの長い前髪、仄かに香る彼の匂い。
凪くんがいつもと違うように見えて慌てて仰け反ってみるも、逃すまいと私の顔に手を添えてくる様子に胸の鼓動は早まるばかり。
「A……顔真っ赤」
「だって、凪くん顔近いんだもん」
「知ってる。わざとだし」
「！？」
「Aは鈍感じゃないし俺の気持ちわかってるよね？その反応は少しでも俺のこと意識してくれてるって解釈でいいの？」
飄々とした様子でそう述べる凪くん。
意識をしている、というのはあながち間違いではない。
でも私はまだ凪くんのことをよく知らないし、玲王みたいに幼い頃からの付き合いでもない。
私の中途半端な気持ちのまま安易に彼の気持ちに答えるのも失礼だと思うし、それに…玲王のことが少し心配で気持ちが追いついていない。
「凪くんの気持ちはなんとなくわかってるよ。でも私、今はそんな気分になれなくて」
振った張本人が情けをかけるなんて玲王は嫌がると思う。
でも彼の性格はよくわかっているつもりだし、今まで共に過ごしてきた日々や思い出を無にすることも出来ないから。
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宇治(プロフ) - いのりさん» いのりさん、ご無沙汰しております♪お優しいお心遣い感謝です(泣)励みになります…まさかこんなにスランプに陥ると思っていませんでした…。凪くん楽しく執筆させていただきますね！ありがとうございます♪ (2023年2月17日 13時) (
レス) id: 7205c6bdcb (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - 宇治さん！こんにちは！スランプって大変ですよね…。ゆっくり宇治さんのペースで大丈夫ですよ！応援してます♡ (2023年2月17日 7時) (レス) @page26 id: 61b0845b42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇治 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uji/
作成日時：2023年1月28日 17時
