▫️さよなら、私の初恋 - 2 ページ22
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「……なんで笑うの？」
「え…」
「辛いのになんで笑うの？」
ーー「 辛いのに 」
閉まっていた心の声を凪くんが代弁するかのように口にするその姿。
逸らすことの無いその視線に再び熱い何かが込み上げてくる。
「……だって笑ってないと、私が私を保てなくなるから…っ。玲王の方がもっと辛いだろうから…っ」
その言葉を吐露した時、涙がとめどなく溢れてきて。
拭っても、拭っても。
止まることを知らないその涙を見た凪くんはその大きな体で私を抱き締めた。
「…Aは一人で我慢しすぎ。もっと甘えてよ、俺に」
口にしないとわからないことだってあるよ、と。
凪くんのかけてくれる温かい言葉の数々に心の奥につっかえていた想いがはじけていく。
「…私もずっと辛かった…っ苦しかった！」
「…うん」
「あの時本当は玲王と一緒にいたかった。玲王にもっと��私��のことを見て欲しかった…っ」
どれだけ好きだという言葉を並べられても。
いつの間にか私の心は泣いていた。
そんな心の悲鳴を玲王は気付いてくれなかった。
そして私も、彼の想いの深さをわかってやれなかった。
「…A。顔上げて」
優しい声音で、私の輪郭をなぞるように撫でる無骨なその指。
ぐしゃぐしゃな相好で彼の顔を見上げると、頬を伝う涙の筋を凪くんの唇が攫っていった。
「俺がAにとっての一番の理解者になるよ」
「凪くん…」
Aが落ち込んでる時、俺が慰める。
Aが困ってる時、俺が助ける。
Aが寂しい時ーー俺が側にいる。
「だから泣いていいよ」
そういって再び優しく私を包む凪くんの身体。
とくり、とくりと規則正しく脈を打つ心の臓と、頭を撫でる温もりに、やっと報われたような気がしてまた涙が溢れてくる。
気付けば凪くんはいつも、側にいて励ましてくれた。
浮かない顔してても無理に聞こうとせず、笑わせてくれた。
彼の思いやりを深く受け止めながら、その温もりに身を預け子供みたいに泣きじゃくった。
「 さよなら、私の初恋 」
(ずっとずっと、大好きだったよ)
玲王との恋のしがらみはここで終わりです。
次回から凪くんが攻め態勢に入ります。
▫️現在公開している全話の行間等のバランス調整を行っております。更新の記載があるかと思いますが特にお気になさらず、上記の通りですのでご理解の程よろしくお願いします。
宇治
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宇治(プロフ) - いのりさん» いのりさん、ご無沙汰しております♪お優しいお心遣い感謝です(泣)励みになります…まさかこんなにスランプに陥ると思っていませんでした…。凪くん楽しく執筆させていただきますね！ありがとうございます♪ (2023年2月17日 13時) (
レス) id: 7205c6bdcb (このIDを非表示/違反報告)
いのり(プロフ) - 宇治さん！こんにちは！スランプって大変ですよね…。ゆっくり宇治さんのペースで大丈夫ですよ！応援してます♡ (2023年2月17日 7時) (レス) @page26 id: 61b0845b42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宇治 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uji/
作成日時：2023年1月28日 17時
