Midnight Devil -許されない恋-【Daigo.N】 (ページ50)

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episode４９ページ50

西畑side

意識はある。なのに体が勝手に動くし思っていないことを言ってしまう。

なんでや、怖い。このまま自分が自分じゃなくなるみたいで。

「大吾くん!!!」

あかん、Aちゃん来たらあかんっ!そう言いたいのに言葉は出ない。

むしろ、首筋に噛みついてしまいたい。あぁ、おいしそう。

そう思った時には彼女の首筋に向かって一直線。

今にも噛みつこうとした時。

“ｷﾞｭｯ“

抱きしめられた。目の前にいるAちゃんに。

唇に感じる何か暖かいもの。あぁ、キス…されたんや。

なんや、これ。膝に力が入らへん。力が全部抜けていくような…

直後、自分の中に別の誰かが入ってきたように意識を操られた。

またこの感覚。今度は、逃さない。

大橋「Aちゃん、はよ逃げてー！!」

はっすんがそう叫んだ時にはもう彼女の首筋に噛みついていた。

あぁ、血ってこんなにおいしいんや。

なんでこんなに避けてたんやろ。

丈「なんでなん…大吾」

大橋「なぁ、大吾!!戻ったんちゃうん?!」

「あ…っっお、おれ…っ！」

正気に戻る。

今、自分の腕でぐったりと横たわるのは愛おしい大好きなAちゃん。

いつもと違うのは…息を、していないこと。

俺が、殺した。

丈「おい中本！アカンで、目ぇ開けろ！！」

そんなことしても無駄って、丈くんもわかってるはずやねん。せやけど…

大橋「なぁ、大吾！なんであんなことしてん！！お前のせいでAちゃんが…！！」

丈「大橋やめろ、それ以上言うな」

おれのせい。そう…やんな。

あんなにおれのことを助けようとしてくれてた彼女を、暴走した自分が、心の弱いおれが制御できんかったからこんなことに。

「ほんま…っごめん」

そう言い残して、姿をくらました。