Midnight Devil -許されない恋-【Daigo.N】 (ページ34)

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episode３３ページ34

(1年前)

あれはまだ、おれらが大阪の地にいるときやった。
もともとそんなに体が強くないその頃からよく貧血を起こしやすい体質やった。

「くっそ、またなん…」

久しぶりに正門とはっすんと会うってなって、楽しみにしてたんやけど。
向かう途中で貧血を起こしてしまった。

あぁ、なんでこんな体に生まれてしまったんやろ？
なんて思ったって貧血が治るわけもなかった。

「大丈夫ですか？立てますか？」

道の端っこでうずくまってるこんなおれに手を差し伸べてくれる人がいた。

「ほっといてください…」

そのうち何とかなるやろうって思ってそう言った。

「ほっとけるわけないじゃないですか、とりあえず、建物の中まで行きましょう。」

彼女は、おれのスピードに合わせて近くのカフェの中に連れ込んだ。

ｶﾗﾝｶﾗﾝｯ

店員「いらっしゃいませー」

「すみません、ちょっと彼体調悪くなってしまったみたいなので休ませてあげられませんか？」

店員「は、はい！どうぞこちらへ！」

「すみません、お手数おかけします。」

…不思議やった。なんで見ず知らずのおれにこんなにも良くしてくれるのか。

この頃から自分を気味悪がって距離を置かれる、なんて当たり前だった。

何でここまでしてくれるん？って聞こうと思ったけどどうやらそこから先の記憶はない。