Midnight Devil -許されない恋-【Daigo.N】 (ページ31)

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episode３０ページ31

話によれば、丈さんがもう間もなく17になるとき。

恋い焦がれている人がいた。二人は両想い。

彼女さんも吸血鬼な彼を受け入れていた。

日に日に弱っていく丈さん。

見るに堪えられなくなった彼女さんは自分に血を吸って、と勧めた。

丈さんは、相手に特別な思いを抱いていると致死率が上がる、ということを知らなかった。

まもなく彼女は帰らぬ人となった。

丈さんが暴走し始めたのもこのころからだったという。

「そんな…だって、そんなの悲しすぎる」

丈「せやから止めたんや。大吾に俺みたいな思いしてほしくない。俺だけで十分や。」

「…丈さんって、優しいんですね。でも、もっと自分を大事にしてもいいと思いますよ。」

丈「っ…お前に何がわかんねん。ほっとけ。」

「ちょっ、丈さん…」

そういって、丈さんは中庭から離れた。
大橋くんも、正門くんも気にしなくていい。そう言ってくれた。でも。
丈さんはまだ何か知ってる気がする。

「私、丈さんのところに行ってくる。」

「暴走させへんようにだけ、お願いな。ここではさすがに考えてくれるやろうけど。」

「大丈夫だから。あとまたスムージーだけ。心配になるからやめて」

「あっ、ごめんやん…」

私は中庭を離れ、丈さんのもとへと向かった。