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「離れろーっ!!惚けるな!離れろ!!

動けるものーっ!!武器をとって集まれーっ!!」


今まで聞いたことのないような大きな声で義勇さんが叫んでいた。





「炭治郎が鬼にされた!!太陽の下に固定して焼き殺す!人を殺す前に炭治郎を殺せ!!」




「う、嘘…。」



すぐに伊之助と善逸が向かい、炭治郎に向かって話し続けている。


でも、炭治郎はそれに何一つ答えない。聞こえてこない。





「行かなきゃ…。もう終わらせなきゃ…。」



動き出そうとしたとき、まっすぐ炭治郎に向かって走る禰豆子ちゃんの姿が見えた。



ちゃんと人間に戻ってる…。



「だったら、さおさら、もう誰も苦しめちゃだめだ…。」




力が入ったのか入っていないのか、どこかふわふわした心地で私は立ち上がった。

もう消える前だからだろうか、それとも灰となりすでにお腹辺りが消えているからだろうか、先ほどよりも体は重くなかった。



それどころか、痛みがずっと和らいでいた、いや、感じなくなっていた。


それでもバランスがとれない体でふらふらしながら私は炭治郎のもとへ歩き出した。





「水の呼吸肆ノ型・打ち潮!」

禰豆子ちゃんに抱きつかれながら炭治郎は背中に生やした触手を振り回していた。

それを義勇さんが弾くが、もう限界が近い。




「誰も殺さないで!!お兄ちゃんお願い!!やめて!!」

禰豆子ちゃんが悲痛な声で叫ぶ。





私は軽くなった体で地面を蹴り上げて炭治郎の真後ろに立った。

そして、後ろから炭治郎の目を手で塞ぎ抱きしめた。

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作者名:ひめつばさ | 作成日時:2020年11月1日 13時

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