鶴の一声 ページ25
カリカリ…
チラリと影山君と日向君の様子を伺う。
うん。2人とも頭を捻ってはいるが、一応は解けてそうだ。
あれから3人で交代しながら教え合い、今は章末問題を何問かピックアップしてやらせている。
この調子なら、20分もかからずに終わるだろう。
そう思って自分の課題に目を向けると、横から蛍がシャーペンでトントンと私のノートを叩いた。
『…？どうしたの？』
「この文なんだけど…」
蛍がシャーペンで指し示している所を見ると、今まで私が解いていた古典のワークの問題だった。
「この訳ってこれで良いの？」
『うーん、大丈夫だと思うけど…。強いて言うなら、語尾についてる“む”が意志を表す助詞だから、“〜しよう”で終わった方が良いと思うよ』
「あー、なるほどね…」
と、蛍が納得したように頷く。
私はそれを見て人知れず安堵した。
答えられて良かった…！
蛍は国語系の科目が比較的苦手らしく、私によく質問をしてくる。
それは頼られている証でもあるため嬉しいのだが、その期待に応えられるか心配になってしまうのだ。
『…あっ』
私はついでに蛍に聞いてしまおうと思って、数学の参考書を取り出した。
『私も蛍に聞きたいとこがあったんだけど…』
「どこ？」
『えっと…二次関数の、ここが文字で置かれてる時の最大と最小を求める所で…』
「ああ、これは3つのグラフを描けば良いよ」
まずここまでは計算で求めて…で、そっからグラフ描いて…
と、蛍は丁寧に説明してくれる。
『…なるほど！これって文字が2個ある時も使える？』
「いや、その時は多分他に条件がつくから、どうせ文字は１つになると思うよ」
『あー確かに！この問題とか？』
と、私が蛍に参考書の問題を見せようとした時、
「終わったあーーー！！！」
「…は？！俺の方が先に終わってたわボゲ！」
という賑やかな声が聞こえてきた。
『お！終わった？』
「はい！あの、俺の方が先に終わってましたよね？！」
「だから俺の方が先だったって言ってんだろうが！！」
そのままぎゃいぎゃいと口喧嘩が始まる。
「俺の方が先に終わったって言ったもーん。だから俺の勝ち！」
「は？！んな決まり…」
「…おい」
その低い声に影山君と日向君が肩を震わせて固まる。
蛍は心底うんざりした顔で
「どっちが早いとかどうでもいいんだけど」
と言い放った。
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ミスト(プロフ) - ふーらんすぱーん。さん» コメントありがとうございます！最近更新が滞ってしまっていて申し訳ないです。亀更新でも更新停止にはしないよう、頑張っていきたいです。 (2022年1月17日 22時) (
レス) id: c2eb77a689 (このIDを非表示/違反報告)
ふーらんすぱーん。 - あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(歓喜) 好きです！！！(クソデカ) これからも応援させていただきます！！更新頑張ってください！！ (2022年1月16日 8時) (レス) @page23 id: a903526445 (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - コメントありがとうございます！やっぱツッキー人気は凄いですね……応援もとても励みになります。ありがとうございます！ (2021年12月28日 17時) (レス) id: c2eb77a689 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫。(プロフ) - めっちゃ好きです!ツッキーが･･･ヤバい(震)！これからも更新よろしくお願いします！ (2021年12月28日 13時) (レス) @page22 id: abf8c53ec1 (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - コメントありがとうございます！ツッキーはかっこよくなるように意識しているので、そう言ってもらえて嬉しいです。そろそろ出てくる影山君もかっこいいと思ってもらえるよう頑張ります！ (2021年10月24日 20時) (レス) id: c2eb77a689 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミスト | 作成日時：2021年5月19日 11時
