勉強会、スタート! ページ23
次の日の朝。
朝練を終えて来た蛍が荷物を置いて席に座る。
私は机に寝そべりながら、その腕をシャーペンでツンツンとつつく。
「…?何?」
『いや、昨日のRINE、具体的に何すれば良いのか教えて欲しいなーって』
「あー……」
今日の放課後は空いているから[良いよー]と了承はしたものの、何をすれば良いのかは全く分からない。
そう思って蛍に聞くと、蛍は順序立てて説明してくれた。
「…夏休みに東京遠征に行くことになったんだけど、」
『え?!凄いじゃん!』
「まあ…。それで、その、期末テストの補習があるとそっちを優先しなきゃいけないらしくて」
『あー』
「で、あの問題児達の勉強を手伝って欲しいっていう…」
なるほど、そういう事か。
でもそれならむしろ…
『…私より蛍がやった方が良いんじゃないの?』
そう言うと、蛍の目が一気に険しくなる。
「絶ッッッ対Aがいた方が効率良い」
『…そんなに?』
「アイツ等本当に馬鹿だから。想像以上に馬鹿だから!!」
『…そ、そう』
目が据わってきた蛍からそそくさと離れて、私達の会話を聞いていた忠の元に行く。
『…そんなにヤバいの?』
「うーん…まあ、小テストでほとんど2桁取ったこと無いとは言ってたけど…」
『…それはヤバいね』
確かにこれは想像以上だ。
気合いを入れて頑張らなくては。
.
.
その日の放課後。
本当は蛍と忠と一緒に行く予定だったが、私に少し用事ができてしまい、蛍と忠には先に行ってもらった。
用事を済ませてから一人で男バレの部室に向かう。
トントン
『失礼しまーす…』
小さい声で挨拶をすると、もう勉強を始めていた四人が一斉に振り返る。
「Aちゃん!」
名前を呼んで手招きしてくれた忠の右隣に座る。
「来てくれてありがとう」
『いやいや、これくらい全然大丈夫だよ!』
「それでもだよ!あ、紹介するね。こっちが…」
そう言って忠が左を見る。
「日向翔陽です!よろしくお願いしアース!!」
「影山飛雄…ッス。お願いシャス」
『うん、二人共よろしくね』
名前は知ってたけど、顔をまじまじと見るのは初めてだ。
(あの時は笑い過ぎて影山君の顔はほとんど見てないし)
見たところ、二人共とても良い子そうである。
これなら勉強もしっかり聞いてくれるのでは…?
そんな私の淡い期待は、十分もしないうちに消え去った。
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ミスト(プロフ) - ふーらんすぱーん。さん» コメントありがとうございます!最近更新が滞ってしまっていて申し訳ないです。亀更新でも更新停止にはしないよう、頑張っていきたいです。 (2022年1月17日 22時) (レス) id: c2eb77a689 (このIDを非表示/違反報告)
ふーらんすぱーん。 - あぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(歓喜) 好きです!!!(クソデカ) これからも応援させていただきます!!更新頑張ってください!! (2022年1月16日 8時) (レス) @page23 id: a903526445 (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - コメントありがとうございます!やっぱツッキー人気は凄いですね……応援もとても励みになります。ありがとうございます! (2021年12月28日 17時) (レス) id: c2eb77a689 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫。(プロフ) - めっちゃ好きです!ツッキーが・・・ヤバい(震)!これからも更新よろしくお願いします! (2021年12月28日 13時) (レス) @page22 id: abf8c53ec1 (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - コメントありがとうございます!ツッキーはかっこよくなるように意識しているので、そう言ってもらえて嬉しいです。そろそろ出てくる影山君もかっこいいと思ってもらえるよう頑張ります! (2021年10月24日 20時) (レス) id: c2eb77a689 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミスト | 作成日時:2021年5月19日 11時