18 ページ18
「…え？えっ！？丈くんと一緒に！？」
それは思ったよりも大きな声になってしまって、一応休憩室だけどまだ勤務時間内なので、急いで口を手のひらで覆う。
「なんで冗談言うねん。
なあ、今日この後空いてる？試合見ながら、詰めへん？」
もうすぐ定時になると時計に目をやった彼は、立ち上がりながらそう言う。
「あの、非常に言いづらいんですが、、仕事が残ってまして…」
「…佐藤さん、」
先輩の私を呼ぶ名が変わった。
それは、これからは仕事の話をするぞという、丈くんなりの優しさだと思う。
「先月の残業時間、覚えてますよね？」
「…はい。」
入社して以来、過去最高だったかな？
「今月もここまで結構ありますよね？」
「……はい。」
サブロクキョウテイ？
12ヶ月で割ったら、超える時間だよなぁ…
「今日はノー残業デー、ですよね？」
「それはもう、存じ上げております…」
そう、語尾につれて声が小さくなっていくと、わかりやすく丈くんは息を吐く。
「藤原さんっ、」
そんな空気に耐えきれなくなった私は、空気を読まずに口を開いた。
「大丈夫、です。わたしが遅いから。」
うちの会社は、自分で言うのもあれだけど、そこそこ規模がある。
親会社的なところから、出向してきてる人も多い。
だからかな？
若いうちは残業して当たり前だって、風習が地味に残っている。
もちろん丈くんたちが変えようとしてくれてるけど、そんなの管理職くらいで、特に私たちの部署のおじさんたちはそんなのお構いなしだ。
それでか知らないけど、この前ひとり退職して。
前にも増して、私と隣の担当の２個下の子は、そんな目に遭うことになった
「…A、」
「ほんとに大丈夫なんで！明日は定時で帰れるよう、善処します。…じゃ、すみません失礼します。」
逃げるわけじゃないのに、逃げるように休憩室から出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1048人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いとしなもん(プロフ) - ゆうさん更新ありがとうございます‼︎とても楽しみにしていたので更新して下さりありがとうございます‼︎引き続き応援しております‼︎ゆうさんのペースで頑張って下さい🥰 (11月7日 17時) (
レス) id: a0d3106a6a (このIDを非表示/違反報告)
いとしなもん(プロフ) - 初コメ失礼します。Sweetdevilをきっかけにゆうさんの作品が大好きになりました🍀Twitterの方もフォローさせて頂きプライベッターの方もフォロリク送らせて頂きました。これからも応援しております‼︎ (7月7日 5時) (レス) id: a0d3106a6a (このIDを非表示/違反報告)
さゆみ(プロフ) - 更新されるの待ってました...！丈くんとの急接近♡この後も楽しみにしてます〜！ (7月6日 23時) (レス) @page34 id: 3d5866d42a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆう
| 作成日時：2023年1月26日 21時
