Anemone . 15 ページ15
テヒョンは私の肩に顔を押し付け
私はテヒョンの肩に顎を乗せている。
顔は見えない。お互いに。
それでもテヒョンが泣いていると分かるのは
乱れた呼吸
濡れた肩
震える手
聞こえる嗚咽
その全てからだ。
TH「はぁっ……ぅっ…っ、はっ、……」
過呼吸になっている。
…私は
こんなにも泣いたことがないけど
本で読んだことがある。
" 呼吸が乱れて息が吸えない。
…これが過呼吸なのだろうか。
私は苦しいから泣いているのに
もっと苦しくなってしまうじゃないか。"
『……』
テヒョンは
苦しいのだろうか。
『……』
テヒョンの、揺れる背中に、
ゆっくりと、腕を回した。
テヒョンは驚いたのか身体をびくっとさせる。
＿＿＿__＿安い人間だ。
" 愛してる " も " 離れない " も誰にでも言うような
そんな、
言葉が安い人間だ。
こんな風に泣くことなんて
いつでもあるのだろう。
………だけどテヒョンに腕を回してしまう私は
その安い人間に
わずかでも
" 同情 " してしまった。
…こんな自分が嫌いで嫌いでたまらない。
所詮私も安い人間だ。
少しでも心を開いてしまったから。
その隙間からテヒョンは上手に入ってきた。
だから今もこうして
突き放すことができずにいる。
TH「…A、っ、はっ、っ、ごめ、ん、
伝え、ら、らんなく、らんなくっ、て、」
『……聴きたくない。
…名前を呼ばないで。』
こんなこと言ったってまだ
まだ
テヒョンを離すことができない。
TH「ごめ、ん、なさいっ、ごめ、んっ…」
…可哀想だと思ってしまう。
赤の他人なのに。
『…泣かないで』
テヒョンの胸を押し体を離した。
…涙でぐちゃぐちゃ、目の周りは赤くなっている。
だけど、……とても、綺麗だ。
『泣かないで』
テヒョンの涙を手で拭った。
TH「…息が、すえな、吸えなく、てっ」
『……深呼吸、しよ』
TH「ふぅっ…は、はっ……ふぅぅっ、っ」
深呼吸をしていくうちに
テヒョンの呼吸は整ってきた。
涙も乾いたようだ。
…どうして私はここにいるんだろう。
疑問を浮かべる。
家に帰らなきゃ。
『ここはどこ？家に帰らなきゃ。』
TH「…ここは、日本。」
『……ん？』
テヒョンの口から出た想定外の言葉に驚く。
驚くというか、唖然として言葉が出ない。
TH「…Aが気を失ってる間に飛んだんだ。」
『………どういうこと、理解できない。』
TH「…今から大切な話をするから、聴いて。」
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りお(プロフ) - 私も、明日テストですよ！いっしょですね！ (2018年11月28日 21時) (
レス) id: 610d527ce2 (このIDを非表示/違反報告)
飴薬(プロフ) - ゆんぎらぶさん» 嬉しいです！ありがとうございます！ (2018年10月27日 22時) (レス) id: 158d4b0e37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんぎらぶ - このピョンテな感じ大好きです！！更新ふぁいてぃんです！！ (2018年10月27日 22時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
ＬＯＳＥＴＹ(プロフ) - ちあさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年10月24日 5時) (レス) id: 158d4b0e37 (このIDを非表示/違反報告)
ちあ - 本当に面白いです！楽しみにしてまーす。更新頑張ってください！！ (2018年10月24日 0時) (レス) id: 4a9056ee7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：飴薬 (Shiyaku) | 作成日時：2018年10月15日 18時
