Anemone . 26 ページ26
「…独りで」
HK「……え？」
「……独りで、強くなってきたんだね」
目が熱くなってるのは
視界がぼやけてるのは
またアルビノになってるからだ、たぶん。
HK「……」
「苦しかったね」
HK「…お前にわかるわけ」
「辛かったよね」
HK「……」
「わかるよ、わかる」
HK「…」
「私も、ずっと…っ、独りだった…」
HK「………泣くな」
ホソクさんは私の頬を拭った。
「…ごめん、なさいっ…」
HK「はぁ…」
ホソクさんは私の肩に手を回して、
自分の方にグッと引き寄せた。
…私が泣き止むまで、ずっと。
「…すみませんでした。」
HK「…うん」
HK「………あのさ、」
「…はい」
ホソクさんの目をじっと見る。
ホソクさんは顔を逸らした。
HK「逃げないの？
…危険な目に合うかもしれないのに」
そう言って私と反対側の方を向いている。
「…逃げたって
帰る場所なんて無いですよ
あったとしても、
……。」
…言葉が、出てこない。
ここにいたいのはなんでだろう？
帰りたくないのはどうしてだろう？
ホソクさんはこっちを向いた。
なんか見られるのが嫌で、私は顔を俯けた。
「………私も、わかんないです。
なんでここにいるのか。
なんで帰らないのか。
…だけど、」
…ただ少し、たったひとつ理由があるとすれば、
「…テヒョンもユンギも、ホソクさんも、
みんな、ここにいる人は私を見てくれる気がして」
…きっとなんでも出来る私のことを知らないから。
誰かの悪役にしかなれなかったことを知らないから。
……唯一、悪役じゃないと思ってくれたあの子はもういなくなってしまったから。
HK「…怖くないの？」
「…だって私だってグールですよ」
HK「……変なの」
「変じゃないです」
HK「…まぁいいや。なんかすっきりした。」
そう言ってホソクさんは立ち上がり、
" 私の " 部屋を出た。
ただ一言、
『無理すんなよ』
と言い残して。
…ホソクさんはずっと独りだったんだ。
ホソクさんだけじゃなくて、みんなも。
血なんて、なくなったって構わない。
スヨンちゃんがいないなら、
生きてても死んでてもいい。
ふと、ひとりの人が頭をよぎる。
博士。
博士はどうしているのだろうか。
親のように、心配したりしてくれてるのかな。
……いや、それはないか。
…博士に会って、真実を確かめたい。
私は結局なんなのか、ということも、
博士が一体誰なのか、ということも。
謎ばかりだ。
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りお(プロフ) - 私も、明日テストですよ！いっしょですね！ (2018年11月28日 21時) (
レス) id: 610d527ce2 (このIDを非表示/違反報告)
飴薬(プロフ) - ゆんぎらぶさん» 嬉しいです！ありがとうございます！ (2018年10月27日 22時) (レス) id: 158d4b0e37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんぎらぶ - このピョンテな感じ大好きです！！更新ふぁいてぃんです！！ (2018年10月27日 22時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
ＬＯＳＥＴＹ(プロフ) - ちあさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年10月24日 5時) (レス) id: 158d4b0e37 (このIDを非表示/違反報告)
ちあ - 本当に面白いです！楽しみにしてまーす。更新頑張ってください！！ (2018年10月24日 0時) (レス) id: 4a9056ee7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：飴薬 (Shiyaku) | 作成日時：2018年10月15日 18時
