Anemone . 17 ページ17
TH「っ…、A…」
目を開けるとテヒョンがこっちへ手を伸ばす。
『触らないでっ！』
後ろへずるずる下がる。
…何故だろう。
目がぼやけて視界がはっきりしない。
……それと、さっきより、
すべてが少し怖く感じる。
TH「…どう、したんだ…？」
『…………なに、が、』
TH「…髪の色も目の色も、肌の色も変わってる。
…どういうことだ？」
『…………あぁ、』
…アルビノ、か。
昔から不定期になっていたアルビノ。
私が造られた人間である証明。
…頭が、ズキンと痛む。
……あれ、おかしくないか？
さっきの話が再び頭に浮かぶ。
…私に、お父さんは、両親は、いないはずだ。
……つまり、テヒョンは私を騙してる…？
『私にお父さんはいない、私は造られたんだから』
TH「………なんでそう思うの？」
『…博士が言ってたから、だからっ』
テヒョンは私の頬を両手で包んだ。
『ひっ…』
…今は少し
怖い。
『は、なしてっ…』
TH「……ごめん」
テヒョンは静かに手を離した。
TH「…さっき、Aは誘拐されたって言ったでしょ。
きっと、その博士に洗脳されたんだ。
Aにはちゃんと両親がいる。
………それに、背中の傷…」
…っ、
『っ…！
…気づいて、たの？』
私が問うとテヒョンは頷いた。
TH「それはグールになるのを途中で無理矢理止めたからだね、…今確信した。
…背中、というよりは肩甲骨についてる。
羽根をちぎったんだ。
それがなによりの証拠。」
……肩甲骨、それがどこかは分からなかったけど、
たしかに、本の挿絵で見た天使の羽のところに傷がある。
右と左に、ひとつずつ。
TH「それにしても……それはアルビノ？」
『…………』
こくり、と頷いた。
TH「…グールはみんな、
髪が真っ白で
目が真っ赤で飛び出てて
長くて太い牙が生えてて
爪が鋭くて
大きくて黒い、ベトベトした羽根が生えてる。
…間に合ったんだ、よかった。」
そう言ってふにゃりと笑った。
たしかに、そんなのにならなくてよかった、
と思う。
……と同時に、疑問が後味悪く残る。
『………博士、は、悪い人…？』
その質問には、どうだろう、なんとも言えない顔をした。
TH「…どう、だろうね。
だけど、事実は変わらない。
Aをグールにしようとしたこと、
そして、きっと、これまでひとりでAを育ててきた…そうでしょ？」
テヒョンは、また笑った。
…変な人だ、心底そう思う。
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りお(プロフ) - 私も、明日テストですよ！いっしょですね！ (2018年11月28日 21時) (
レス) id: 610d527ce2 (このIDを非表示/違反報告)
飴薬(プロフ) - ゆんぎらぶさん» 嬉しいです！ありがとうございます！ (2018年10月27日 22時) (レス) id: 158d4b0e37 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんぎらぶ - このピョンテな感じ大好きです！！更新ふぁいてぃんです！！ (2018年10月27日 22時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
ＬＯＳＥＴＹ(プロフ) - ちあさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2018年10月24日 5時) (レス) id: 158d4b0e37 (このIDを非表示/違反報告)
ちあ - 本当に面白いです！楽しみにしてまーす。更新頑張ってください！！ (2018年10月24日 0時) (レス) id: 4a9056ee7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：飴薬 (Shiyaku) | 作成日時：2018年10月15日 18時
