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叫んでしまってから、龍樹の唖然とした顔が目に入った。
なんてことを言ってしまったんだろう。
こんなこと言われても龍樹にはなにもできないのに。
「ごめん」
私は身を翻し、走って逃げた。
涙が出た。
なんでこんなにうまくいかないんだろう。
私と龍樹では立場が違う。
それを選んだのは私なのに。
優等生って残酷だ。
私はどちらも手に入れたいのに、それらは矛盾して、手に入らない。
龍樹が好きだなんて気持ち、捨ててしまいたい。
自分が走って来た道を振り返る。
当然のように龍樹は追いかけて来てくれなかった。
そりゃそうだよね。
私たちはただの幼馴染で、恋人じゃあない。
追いかけて来てくれるはずない。
頭ではわかっているのに。
本当は思っていた。
追いかけて来てくれるんじゃないかって。
そんな夢物語は、打ち砕かれた。
「あーあ。最悪」
苦し紛れにそう呟いた。
「遠山さん?どうしたの?」
「えっと。学級委員の神田君?」
彼はぶはっと笑った。
見かけによらず豪快な人だな。
「なんて説明的なセリフw」
「あ、ごめん」
「いいよいいよ。学級委員の神田奏太です。」
「遠山真桜です」
「知ってる」
「あ、そうか」
「ところでなんで泣いてるの?」
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かぷりちお - コメントありがとうございます!亀更新ですが、完結は必ずしますので、気長に読んでくださると嬉しいです! (2018年8月24日 2時) (レス) id: 0810d4d9bb (このIDを非表示/違反報告)
G - 続き気になる (2018年8月22日 16時) (レス) id: cad32de435 (このIDを非表示/違反報告)
あいり - 続き書かれる予定はありますか、、、?設定が面白いので思わず読み入ってしまいました笑 (2018年8月22日 11時) (レス) id: 5cff57e74b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぷりちお | 作成日時:2018年6月27日 19時