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真桜side
神田くんに借りた体操服を洗って、返そうと学校に持ってきた。
だけど神田くんはどこにもいなかった。
休みなのだろうか。
そんなことを思いながら、神田くんを待っていた。
結局神田くんがきたのは授業が始まる2分前。
もう今更席を立てる雰囲気ではなくて、次の時間にしよう、と思った。
1時間目は、物理だった。
集中できずに、窓の外を見る。
なぜか、その向こうへと行かなければいけない気がした。
1時間目が終わり、私は神田くんに紙袋ごと体操服を返す。
「別に洗わなくてよかったのに。」
「そんなわけにはいかないよ、血だってついてたんだもん」
「大丈夫?」
「うん、なんとか」
笑ってみせる。
私はうまく笑えているだろうか。
どうしてだろう。
神田くんが泣きそうな顔をした。
「遠山さん。僕は、遠山さんが好きだよ。」
「え?」
私は聞き返した。
でも神田くんは冗談を言っているようには見えなくて。
「好きだよ。
だから、助けたんだ。
別に付き合ってくれとか言ってるわけじゃない。
ただ、辛くなった時、思い出して欲しいんだ。
戸村も、僕も。
君が好きだから。
君は、いろんな人に好かれてる、本当にすごい人なんだよ。」
どうしてそんなことをいうのかしらわからなかったけど。
それでも、嬉しかったから。
私は、頷いた。
ありがとうって、笑いながら。
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かぷりちお - コメントありがとうございます!亀更新ですが、完結は必ずしますので、気長に読んでくださると嬉しいです! (2018年8月24日 2時) (レス) id: 0810d4d9bb (このIDを非表示/違反報告)
G - 続き気になる (2018年8月22日 16時) (レス) id: cad32de435 (このIDを非表示/違反報告)
あいり - 続き書かれる予定はありますか、、、?設定が面白いので思わず読み入ってしまいました笑 (2018年8月22日 11時) (レス) id: 5cff57e74b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぷりちお | 作成日時:2018年6月27日 19時