■ Haitani Rindo ページ6
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○ 灰谷竜胆 +12 梵天軸
○ 夢主ちゃんにはお仕事について内緒にしてる竜胆
「あ〜、明日は仕事が入っててさ……」
気まずそうにAから目を逸らし、明後日の方向を見ながら歯切れ悪く言う竜胆。
部屋の壁にかけられたカレンダーには、明日の日付のところが赤色のペンで囲まれており、下には"デート"の文字。
目の前では彼女であるAが不機嫌そうにソファに沈み込み、頭まで毛布にくるまっている。
「この前のデートだって急に仕事入ったって言って、途中だったけどその場で別れたじゃん…… 竜胆の仕事ってそんなに忙しい?」
ドラマや漫画ででよく見る、"仕事と私どっちが大切なの!?"という強烈なワードを思い出し、『私、めちゃくちゃ重くて面倒臭い女だな……』と思うのに、口から出る言葉は留まることを知らないかのようにどんどんと溢れてくる。こんなこと言ったら竜胆は気にすることわかってるのに。嫌われたくないのに。
「竜胆っていっつもそう。自分勝手に何でも決めるよね。仕事が大事なのは分かってるけど、相手の気持ちとか考えられない?」
「いや、オレは…」
「そもそも、竜胆、嘘ついてるでしょ」
竜胆が何か言いかけたのを無視して続けた私の言葉に竜胆はギョッとしたように私の方を見つめた。
これ以上迫ったら私たちの関係も終わってしまうかもしれない、それが分かっているのに思ったことがぽろぽろと口から零れてしまった。
「分かりやすいよ、竜胆。罪悪感があるのが表情から分かるもん。そんなに罪悪感あるのに本当のことは私には言えないんだね」
「仕事のこととか、私にはほとんど話してくれないよね。あんまり深く探って欲しくなさそうだったから何も言わなかったのは私だけどさ」
こんなにキツいことを竜胆に対して言ったことが今まで1度もなかったからか、私の本性が見えてびっくりしたのか、竜胆は口をぱくぱくと動かしてなにかを言おうとしているのに声が出ていなかった。
あぁ、私たちもう終わりかな。
私がもっといい子で笑って気付かないバカな振りでもしてたらもっとずっと一緒にいられたのかな。
「もしかして、都合がつかないのは2番目の女だからとか?」
自嘲した乾いた笑いが零れて困ってしまう。
別に竜胆が浮気しているところを見た訳でもないのに、竜胆を信じられなくなってそんなことを口走った。
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Alice(プロフ) - きなこだいふくさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました…!そんな風に言っていただけて嬉しい限りです…!続編を作るかもしれないので、もし作った際はぜひよろしくお願い致します♡ (2022年4月2日 17時) (レス) id: fa28fe383f (このIDを非表示/違反報告)
きなこだいふく(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白い話がたくさんあり、私自身とても楽しく読み進めることができました。こんな神作をありがとうございます!そして、更新お疲れ様でした! (2022年4月2日 11時) (レス) @page46 id: 90c5be706c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Alice | 作成日時:2021年9月19日 20時