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しばらく泣きながら歩いて、たどり着いたのは竜胆とまだ付き合う前によく会っていた小さな公園。
街灯がうっすらと公園内を照らしていた。
ふと懐かしくなって、その公園のブランコに座る。大の大人が何やってんだろ、なんて虚しく思いながらも、ポケットに入れっぱなしのスマホの画面に目を向ける。
スマホの画面には、何件もの竜胆からの不在着信にメッセージ。
『本当にごめん』
『謝りたいから、家に帰ってきてくれ』
『帰るのが嫌なら迎えに行くから』
『夜中に1人で外にいるのは心配だから』
『オレのとこが嫌なら友達の家でもいいから、外に1人ではいないでくれ頼む』
相当焦っていたのか、普段の彼は誤字なんてほとんどしないくせに中には誤字が多くて読みにくいメッセージもあった。
「私、最低だ……」
こんなに自分が思われているのに、彼に「私が2番目だから？」なんて言って一方的に別れを切り出してしまったんだから。
自分から離れたくせに、離れるのが悲しいやら寂しいやらで涙がぽろぽろと溢れてくる。
でも、私はきっとバカみたいにわがままで本当は別に我慢強い女でもない。今後、彼のそばにいたら今回のようなことがまた起きるんじゃないかと考えてしまう。私が彼を悲しくさせてしまうのなら、と考えると彼のところにはもう帰れないと思った。
私が家を飛び出してからもう少しで1時間が経つ頃。
いつまでも公園で泣いているとそのうち警察に補導されそうな気がして、とりあえずコンビニにでも行こうと立ち上がる。こんなブサイクな顔で街を歩く気にはなれないが、今このタイミングで警察に職質されるのはさすがに辛い。
ブランコから重い腰を上げて立ち上がる。
やっと少し涙が止まってきて、ちゃんと息ができるようになっていた。
「A!!!!!」
ゼェゼェと荒く息をしながら汗だくの彼は公園の入口で立っていた。部屋着のパーカーのままだった。
「……なんで」
早歩きで私の方まで詰め寄ってきて、焦って私は反対方向に向かって走るが、体格差のある竜胆に捕まらないわけがなく、背中を向けた私に彼はそのまま後ろからぎゅっと強く抱き締めた。
少し冷える夜だったせいか、私の体は冷えていて、竜胆の体温は暖かく感じた。
そのせいで、さっき止まったはずなのに、また涙腺が緩んできてしまう。
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Alice(プロフ) - きなこだいふくさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました…！そんな風に言っていただけて嬉しい限りです…！続編を作るかもしれないので、もし作った際はぜひよろしくお願い致します♡ (2022年4月2日 17時) (
レス) id: fa28fe383f (このIDを非表示/違反報告)
きなこだいふく(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白い話がたくさんあり、私自身とても楽しく読み進めることができました。こんな神作をありがとうございます！そして、更新お疲れ様でした！ (2022年4月2日 11時) (レス) @page46 id: 90c5be706c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alice | 作成日時：2021年9月19日 20時
