■ Sano Manjiro ページ17
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○ 佐野万次郎 中学生 東卍軸
○ 夢主ちゃんちょっと悪い子設定です
「さすがAちゃん!」
「優等生だよねぇ〜!」
周りから褒められることは嫌いじゃない。でも、周りからの評価を気にしすぎてここはなんだか息が詰まる。
親からの期待なんてものは想像以上に重たくて、背負わされたところで私はそれを背負って立つことなんてできやしない。
気分が沈む時は決まって私は屋上に行く。景色を眺めるとか、1人で落ち着きたいとか、そういうのもあるけれど、それ以上に人目がつかないところじゃなきゃダメだから。
屋上の重い鉄製のドアを体全体で押して開く。開いたところから少し肌寒いくらいに涼しい風が吹き抜けて、私の髪を揺らした。
屋上に私以外に人がいないことを確認して、ポケットに手を突っ込む。
「はぁ」
ポケットから出したのはタバコの箱に安物のライター。悪いことだというのは分かってる。悪いことほど不思議とストレス解消になる気がするのだから不思議なものだ。
タバコの先に火をつけ、ふーっと息を吐く。
みんなの前だと息が詰まったような感覚なのに、1人だとこんなに自由に呼吸できる。
自分はみんなのいうような優等生や良い子ではないのは分かっている。別に私はそれになりたいわけじゃない。
コツコツ__
ドアの方から足音がした気がして、手元にタバコを隠すも振り向くと誰もいない。気のせいだったのかな。
「ねぇ、それ美味しい?」
「!?」
さっきまで誰もいなかったはずの真横から座っていた私の顔をのぞき込む男の子。びっくりして言葉が出ず、タバコを落としかけた。
目の前の金髪の男の子。
少し背は小さめで前髪を後ろにまとめていて、どこか可愛らしい雰囲気。
どこかで見たことあるな……?
「クラス一緒だよね、優等生のAチャン♡」
「あ、」
たまに学校来ては寝てばっかりで給食のときだけ起きてる不良の子だ。ものすごく強いみたいな噂を聞くけれど、実際のところはどうだか知らない。
確か名前は__
「佐野万次郎。マイキーって呼んで」
にこにこと自己紹介をし、当たり前のようにドカっと私の隣に座り込む佐野くん。
タバコの火を消し、簡易灰皿に入れる。
誰にも見られないようにいつも周りを気にして吸っていたのに、まさかこんなに口の軽そうな男にバレてしまうなんて。
本当に笑えない。
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Alice(プロフ) - きなこだいふくさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました…!そんな風に言っていただけて嬉しい限りです…!続編を作るかもしれないので、もし作った際はぜひよろしくお願い致します♡ (2022年4月2日 17時) (レス) id: fa28fe383f (このIDを非表示/違反報告)
きなこだいふく(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白い話がたくさんあり、私自身とても楽しく読み進めることができました。こんな神作をありがとうございます!そして、更新お疲れ様でした! (2022年4月2日 11時) (レス) @page46 id: 90c5be706c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Alice | 作成日時:2021年9月19日 20時