ライバーの僕と、一般人の私【knmc】 (ページ6)

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2杯目ページ6

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店内へ繋がる扉を開ければ珈琲の香りが胸いっぱい広がった。香りの先を見れば彼女が白いマグカップに入れていた。

視線に気づいたように目が合えば、座れと言うようにカウンターの椅子を引いてくれた。

「いい香りですね」

珈琲は苦くて飲むのは少し苦手だが香りは嫌いではなかった為素直に感想をつげた。

『はい。とっても好きな香りなんです。』

ルビーがキラキラと輝きながら珈琲へと伏せられる。嬉しいそうに答える彼女の表情はとても優しい穏やかなもので、はっと息を忘れるものだった。

『どうぞ』

この時、冷えていた身体を気遣い珈琲を入れてくれたのだと気付きありがたく受け取る。恐る恐る口に含めば苦手な苦味が口内を襲う。微かにしかめた表情にクスリと笑いカウンターの奥へ消えていった。

どうしてもブラックコーヒーは飲めないのにすこし恥じらいを感じながらちびちびと飲み続けていると彼女は、赤のマグカップをそっと僕の前において笑った。

不思議に感じながらもマグカップを受け取りそっと口に含めば苦味をかき消す様に甘さがふんわりと広がり、持ってきてくれたものがココアであったことに理解した。

『良かった、甘いものは好きなんですね』

頬が緩んでいたのに気づいたのか、安心したように穏やかにルビーが笑った。

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