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収録が終わり皆アフレコ現場から次々と出ていく。指先が冷たい。脚が震える。緊張と不安で頭が真っ白になってる。
そんな私に気づいたのか後ろから肩と背中を優しく叩かれる。まるで背中を押してくれているこん感じ…知ってる。
(ポンポン)
宗悟「頑張れよ」
八代「いい報告待ってますねっ!!」
やっぱり2人だった。ありがと。
雄馬「…話家でいい…?」
『うん…大丈夫だよ。』
ここからはほんとに1人。
ちゃんと伝えるって真礼ちゃんとも、宗悟くん、拓ちゃんとも、約束したんだから。
『まずその…』
雄馬「『ごめんなさいっ…え?』」
『え、』
雄馬「あ、…んふっ笑」
『あはっ…笑』
びっくりするほど綺麗に「ごめんなさい」がハモった。あまりにもお互いが間抜けずら過ぎて面白くなっちゃった。
本当は笑わない方が良いんだろうけど、しんみりした空気で話すよりは全然いい。
雄馬「ふー…よし、ちゃんと話そっか」
『うん。えっとまずごめんなさい。』
『本当は寂しかったの。忙しいってわかってたけど構って欲しかったというか…その、ご飯だって食べれる時は一緒に食べたいし、ちゃんと挨拶ぐらいはしたかったんだ…。』
『それと、段々人気になっていく雄馬くん見てたら、結婚してるはずなのに遠くに行っちゃうみたいでこわくなっ、てッ…』
『…ッ…そのッ…嫌いにならないでッ…。』
ずっと言いたかった。やっと言えた。何となく言いにくかった言葉は少し零せばポロポロと涙のように出てきて、私の今の顔はきっと溢れ出た涙でぐちゃぐちゃだ。
雄馬くんの顔を見るのが怖くて、こんな自分の嫉妬深いところや弱い所を見られたくなくて顔があげなれない。
するとまるで私がここにいるのを確かめるようにギュッと強く抱きしめられた。
雄馬「気づけなくてごめんね。」
雄馬「それに、嫌いになんてなれないよぉ…」
雄馬「俺だって不安だったんだ。俺らの仕事って安定している訳じゃないし、それに…結婚…式、あげたい、なぁ…って…ごめんカッコよく言うつもりだったんだけど…」
『…え…ぁ…〜ッ』
そんなのに聞いてない。自分がわがままで、寂しかっただっただけじゃん。でもそんなことがどうでも良くなるくらい嬉しくて涙が止まらなかった。
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零(プロフ) - 人の名前なので一応訂正しとくと鳴子くんをしてるのは福山潤さんじゃなくて福島潤さんですよ! (2021年4月25日 9時) (レス) id: 0e5ed67c4a (このIDを非表示/違反報告)
しばいぬ - 私も、こういう結婚してみたい!頑張ってください(。>д<) (2021年4月6日 23時) (レス) id: d4c80fd2dd (このIDを非表示/違反報告)
蒼空《そら》(プロフ) - ハイキューラジオのところが内山になってます!この作品面白いです。頑張ってください! (2021年3月31日 1時) (レス) id: c2cd3d1127 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬(プロフ) - えっあっ好きです。これからも更新頑張ってください!応援してます! (2021年3月26日 2時) (レス) id: a75ba4312e (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - あぁふたりともすごいかわいいです...! (2021年3月20日 11時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琥珀糖 | 作成日時:2021年3月15日 4時