12 ページ12
.
『あっ、でも』
君は申し訳なさそうな顔をしてから、
何かを思い出したかのように
僕の顔を見てきた
『お渡しした名刺』
「…名刺？」
『はい。
私の名刺に個人的なメールアドレスが書いてあるので、それでお知らせすることならできますよ』
あ、なるほど
名刺を取り出して見てみると、
筆記体で書かれたアドレスと電話番号
「…この電話番号も、Aさんのものですか？」
『はい。私のです』
君の連絡先を知っただけなのに
ドクドクと胸が高鳴る
嬉しい…
って顔に出てないかな、大丈夫かな
「また来てもいいですか？」
と聞くと、
君は嬉しそうに顔を傾けて微笑んだ
『是非、お待ちしてます』
もう一度グラス同士をコチｯと打ち付け
残ったノンアルコールを飲み干した
.
「あ、まふまふ何してたんだよ」
『すみません…って、さかたんやば！』
席を離れた時よりほんの少しだけ
顔が赤くなったそらるさんが
文句ありげな表情で座っていた
…それと見るからに限界寸前のさかたんが横たわっている
「うらたくんが今タクシー拾ってくれてる」
「…そうなんですね」
これじゃ明日の動画撮影は中止かな、と
またもやガクリと肩を落とす
「あ、Aちゃんじゃん」
『そらるさん、先程ぶりです』
そらるさんに向かって君は軽く会釈をした
「Aちゃん、大丈夫？
まふまふに何もされてない？」
『ふふっ、何もないですよ』
「ちょっとなに聞いてんですか！？」
お酒が入ったそらるさんはいつもの５割増しで
面倒くさい人になっていた
でも、可笑しそうにクスクス笑う君を見て
そんな事どうでもよく感じてしまう
「そらるさん、タクシー着きました〜」
うらたさんの声を聞いてもう一度君を見る
ニコッと柔らかく笑うので
思わず触れたくなるのを必死に我慢した
『またいらしてくださいね』
.
…あぁもう、本当に可愛い
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 572人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
杠*ゆずりは* - おっふ当たり…！面白いです…展開が分からなくてまたいいです！更新頑張ってください！楽しみにしております* (2019年2月24日 21時) (
レス) id: 550abac7bf (このIDを非表示/違反報告)
Maa(プロフ) - らいむさん» 読んでいただきありがとうございます！！頑張ります！！たくさん作品を読んで日々研究中です( ´艸｀) (2019年1月9日 17時) (レス) id: 5b07d0752a (このIDを非表示/違反報告)
Maa(プロフ) - いちさん» 読んでいただきありがとうございます！！面白いって言って頂いて嬉しいです(；；)頑張ります！ (2019年1月9日 17時) (レス) id: 5b07d0752a (このIDを非表示/違反報告)
らいむ - え、、すごく面白い、、更新頑張ってください！あ、あとその文才下さい(T_T) (2019年1月7日 16時) (レス) id: f03fc7a8af (このIDを非表示/違反報告)
いち - え、まってーーー めっちゃ面白いですやん！！！！！！ この理解力が全くない僕でもわかる...夢主ちゃん可愛いぃぃぃぃ！！ 更新頑張ってください！！ (2019年1月6日 23時) (レス) id: 5a68a53c1d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Maa | 作成日時：2019年1月6日 22時
