心配 10 ページ10
三月 「ん？」
一織 「、、、Aさんが体調を崩すシーンは、どうしても本当のように感じてしまって、、、」
三月 「あー、皆、言ってるよな。俺もドキドキするよ。俺もさ、今度から、Aと一緒のシーンが増えてくるから緊張してる。Aの演技力は、凄いもんな。」
一織 「ええ。何度やってもあの演技に慣れなくて、、、いつもは、笑顔のAさんがあまり笑わない役をやってるだけでも慣れなかったですし、、、」
三月 「まぁ、そうだな。A以外は、ほとんど俺たちと変わらない役だし、入りやすいところはあるな。」
一織 「ええ。Aさんと九条さんくらいですね。いつもと違う感じの役は。」
三月 「九条？いつもと、、、そっか。一織は、結構九条と喧嘩することが多いもんな。俺は、九条がAの兄貴やってるところを良く見るから、、、っていうか見ちゃうから九条の優しい性格の役に違和感は、感じなかったな。」
一織 「まぁ、、、Aさんが演じる役が体の弱い役で、その助けをする九条さんの役は、九条さんと言えば九条さんですけど、、、」
三月 「九条も何か、感じるところがあるんじゃねぇかな。側にいたくても側にいてあげられないってシチュエーションも同じだしさ。」
一織 「、、、私、気になるんです。もしもAさんの病気が七瀬さんよりもずっと軽いものか何も病気がなかったとして、Aさんが居なくならずに七瀬さんたちの元で暮らしていたら、今、どうなっていたのかなって。」
三月 「、、、どうだろうな。九条がどんな選択をするか分からねぇし、何ならAだってこういう仕事をしなかったかもしれない。」
一織 「、、、恐らく、Aさんの体を思えばほとんどの人は、Aさんがアイドルをするなんて無理だと言ったはずです。それでもこの如月家の人は、背中を押してあげた。如月家に引き取られなかったらアイドルになっていなかった。」
三月 「、、、そうだな。Aも色々と苦労するだろうし九条も最初は、悩んだって言ってたもんな。」
一織 「、、、私もAさんの兄なら止めていました。貴方には無理だと言っていた。けれど、、、今じゃ私が憧れるアイドルの一人です。」
三月 「ふっ。そうだな。一織は、あの番組でAが歌って踊る姿を見ていつもテレビに張り付いてた。」
一織 「に、兄さん、、、」
三月 「憧れるアイドルか。俺もそうなりてぇな、、、」
一織 「ちゃんと見てくれてますよ。」
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作者名：Mina | 作成日時：2020年12月31日 2時
