心の支え 1 ページ32
千 「お花は駄目だから造花、買っといたよ。」
陸 「俺たちもぬいぐるみ、買いました。」
環 「記憶、戻ってなくても友達増えたみたいで安心できそうだしな。」
百 「さっき、帰ったんだし目は覚ましてないと思うけど顔を見に行こうよ。せっかく、皆、揃ってるしね。」
僕らが病院に向かうと隣でリムジンが止まった。
百 「あっ、翔君。」
翔 「お揃いでどこかへお出掛けですか？」
千 「Aのところ、行こうと思ってたの。」
翔 「そうでしたか。では、どうぞ。」
翔君は、ドアを開けて俺たちを乗せてくれた。
千 「どこか行ってたの？」
翔 「渚様が外国での仕事に向かわれるので空港にお送りしてきたところです。」
百 「また海外か。大変だね。」
環 「あっ、りっくん。袋、潰すなよ？」
陸 「あっ、ぬいぐるみが！」
三月 「落ち着けって。陸が転びそうになってどうすんだよ。」
天 「君たち、早く座りなよ。こんなところでも漫才しないで。」
一織 「七瀬さん、私が持っていますから落ち着いて座ってください。」
環 「袋に集中しすぎて周りが見えないんだな。」
何とか病室に着くと琥珀君たちがいて、Aは眠っていた。
楽 「やっぱり眠ってるな。」
天 「うん、、、でも、落ち着いてるようで良かったよ。」
僕がAの手を握るとAは、軽く握り返してくれた。
天 「A、、、？」
僕がAを見るとAは、ゆっくりと目を開けた。
天 「A！」
Aは、僕の方を見てゆっくり起き上がった。
和泉一織が反対側から一緒に支えてくれて起き上がるとAは、僕に抱きついた。
天 「A、、、」
僕は、久し振りの出来事に嬉しくて泣きそうになった。
『、、、格好良かったよ、、、天。』
天 「、、、ありがとう。僕ら、TRIGGERっていうグループなんだ。」
『、、、うん。』
天 「Aはね、、、」
僕が言う前にAは、僕の耳元でDreamと囁いた。
天 「っ、、、A？」
『、、、思い出した。皆のことも自分のことも。』
天 「本当！？」
『うん。』
楽 「ふっ。良かった。」
龍之介 「一安心だね。」
一織 「ぬいぐるみ、どうします？」
環 「りっくんが選んだんだもん。気に入るさ。」
『、、、ぬいぐるみ？』
陸 「こ、これ。俺が選んだんだ。気に入ってくれるかな？」
陸が袋からぬいぐるみを取り出すとAは、嬉しそうに笑った。
陸 「うさぎで良かった？」
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作者名：Mina | 作成日時：2020年12月31日 2時
