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【9】 ページ11

荘園と言う小さな箱庭の中に数十人の人間が住んでいるのだから、いつどのタイミングで鉢合わせてもおかしくはない。


だが、状況が状況だ。より平然に、平常心を保ちながら歩くスピードを早める。


「あ、Aなの!」


『ごめんね、あとで!』


エマに声をかけられるがこの場から出来るだけ遠く立ち去りたいために先へ急ぐ。


「あ、イソップさんなの!」


『』


さらに歩くスピードを早め、小走りになる。



これは、、ついて来ている、、?


頑張って保っていた平常心を塗り替えるように恐怖心が募ってくる。


逃げるルートを考えずに走っていると、人気のない廊下に出てしまった。


やらかした‥、詰みだ‥‥!あんなに2人きりを避けていたのに‥!!



後ろから床を小走りに走る音が聞こえる。追いつかれちゃまずい。



この廊下をまっすぐ走り、突き当たりにある階段を降りた。どうしてもカールさんから身を隠さないといけないと思い、誰か分からない部屋に逃げ込んだ。


幸い、部屋の鍵は空いており静かにかつ迅速に部屋に入りドアを閉めた。


『はぁ、はぁ、はぁ、、、』


呼吸を静かに整えながら外の音を聞いていると、次第に足音は遠くに消えていった。


『ふぅ‥』


一旦落ち着き、周りを見渡してみると誰もいないのか少し薄暗かった。


『…急にお邪魔してしまってすみません』


ここは誰の部屋だろう。返事がなく静まり返っている。誰の部屋か分かったら静かに出ていこう、そして明日にでも詫びの品を‥


そう思いドアを捻ろうとすると、背後から人影がぬっと出てきた。


『ひっ…!』


「ダメだよ、男の部屋に入って来ちゃ。しかも女の子が息を荒らしてさ」


『す、すみません!今すぐ出ます‥!』


「なーんて、」


そう言って影の主‥もといノートンさんが明かりを付けて顔を見せた。


「無断で入ってきたバツ、ちょっと付き合って」


『び、っくりしたぁ』



照明を消していたのは今まで寝ていたらしく、いつの間にか暗くなっていたらしい。いつもは照明を消さないみたいなのだが、今回は陽の照りが強かったため消していたようだ。




机に誘導されて、机上を見るとなにやら鉱石のコレクションがたくさん並んでいる。




「これね、僕が採掘したんだ。すごく綺麗でしょ?」


「この鉱石の自慢話をしたいから聞いててね」





なんだかよく分からないがノートンさんの話を1時間半も聞く羽目になってしまったのは今の私はまだ知らない。

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こなつ(プロフ) - すごく面白いです!ノートンも推してるので絡ませてくれて嬉しいです…(>_<)❤️更新楽しみにしてます! (2022年8月19日 17時) (レス) @page14 id: 69f5122ea8 (このIDを非表示/違反報告)
茶碗(プロフ) - 社畜那須さん» ありがとうございます( ; ; ) (2022年3月8日 1時) (レス) @page14 id: ef931e52a4 (このIDを非表示/違反報告)
社畜那須 - めっちゃ面白いです!! (2022年1月18日 5時) (レス) @page13 id: 29eaa28498 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茶碗 | 作成日時:2021年11月25日 1時

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