潔の兄はエゴいのか

返却 ページ7

教室の中は絶望と期待で満ち溢れていた。


そう何を隠そう今日がテスト返しなのだ。


正直できたかできてないかわからないほどの手応えだったので、俺は絶望していた期待なんかしてはいない。


「潔ー」


呼ばれたのでテストを取りに行く。


返してもらったのは良いものの、怖くて点数を見ることができない。


あの先生の表情からしてちょっとやばい感じがする。


「どうやったん？」


信介が優しく話しかけてくれるがそれどころではない。


「なんか怖くて見れない。信介、先に見て。」


「それでええの？じゃあ見るで。」


「！！！」


信介は見た瞬間目を大きく開き驚いていた。


どっちの表情かいまいちわからない。


「どっち？？」


「それは自分で見てみ？」


恐る恐る紙を捲ると31と書かれていた。


平均点は、、60！！


つまり赤点ではないということだ。


その後のテストもギリギリで赤点を回避し、補習を受けなくても大丈夫になった。


よくやった俺。これで心置きなく帰省できる！！


「ようやったな。飴ちゃんあげるわ」


と信介に撫でてもらってつい嬉しくなったのはここだけの話。

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