潔の兄はエゴいのか

遺伝子レベルで ページ27

角名side


初めて見た時からなんか可愛い人だなって思ってた。


ちなみに初めて会った時ってのは寮なんだけど、


「俺は潔Aです。わからないことがあったら聞いてください。一緒に考えます。」


いやお前もわからないのかよ。と思いながら気さくそうな先輩で安心した。


「君は角名くんだよね。君は吉田くんと同室だね。俺の部屋はすぐそこにあるからいつでもおいで。」


そう言って優しく微笑んだ。ひまわりを連想させられる笑顔だった。


仲良くなりたいなあと思った。


「よろしくお願いします。」


「敬語はいいよ別に。」


ご飯の時間になり潔先輩と少し話す。


「てか角名くんは何部はいんの？」


「あー、バレー部に入ろかなーって。」


「そうなんだ。俺もバレー部だからもっと一緒にいる時間が増えるねー。」


「そうだね。」


全然悪い気がしなかった。


これが初めて会った時の話。


話は変わるが、最近いい香りがする。


何が原因なのかもわかっていないが、その香りを吸うと、お腹が空くような、お腹じゃないどこかが空くような、、、


俺は原因が気になったので調査を始めた。


まず双子。この2人は普通に汗の匂いだった。全然違う。


銀とか北さんかもなと思って少し近づいて嗅いでみたが違った。


諦めていた時、ふと俺に近づいてきたAさんがいい匂いがした。


でももしかしたらこの人の近くにいる人がいい香りでちょっとうつっちゃったのかもしれない。


どうしようかなーと考えていた時、Aくんがランニングから帰ってきたみたいだった。


これだ、と思い「ちょっときてー」と言って嗅がせてもらった。


原因がこの人じゃないなら汗の匂いがするだろう。


この人だった。


匂いで惹かれるというのは遺伝子レベルで相性が良いらしい。クラスの女子が言ってた。


そう気づいた瞬間、目の前にいるAくんがとても愛おしく思えて、つい抱きしめてしまった。


可愛くて愛おしい。そんな先輩。先輩と後輩、それ以上はないはずなのに、それ以上になれたらな、と思う。

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