11話 ページ13
トントンside
A
『ちょ…ちょっと待って…ください！』
後ろから突然、途切れ途切れの声で呼び止められる
振り向くと少女が膝に手を付き、肩を上下させていた
…え、これだけでへばってんの？
体力無さすぎとちゃいますかねぇ
トントン
｢何？俺は早く行きたいんやけど｣
そう言うと分かりやすく肩を揺らす
そしてまた、ビクビクしながら口を開く
あんまりビクビクしてる奴嫌いやねんけど
A
『あのもうちょっと離れてもらっていいですか…！』
トントン
｢は？｣
コイツ急になんなん？
思わず喧嘩腰に返せば少女が1歩後ずさる
A
『い、や…あの、ごめ、ごめんなさッ…』
また医務室に居た時のように俯き肩を震わせる
…この様子じゃ前居たところは軍部とかじゃなさそうやな
オークションで買われた奴 隷か親に虐 待でもされとったか…
これなら、痣の理由も説明がつく
でも、なんですぐに痣が消えたんや？
そこら辺はまだわからんなぁ…警戒は必要やな
A
『ほんとに…その、すいません…ほんとに…』
少女がずっとこちらに対して謝り続けている
…ちょっとだけやったら、大丈夫、よな？
そう考え少しだけ少女に近付く
身を固め、少女の目がこちらを向く
不安と焦りが混ざりあったような目だった
俺が手を上に持っていけばぎゅっと目を瞑る
やっぱ、暴力振るわれとったんかなぁ…
そう思いながら少女の頭にゆっくりと手を置く
トントン
｢あんたのことちょっと勘違いしとったみたいや…すまんな｣
そう言って頭を撫でる
多分…って言うか絶対ぎこちなかったと思う…
少女の目に一瞬だけ驚きの感情が読み取れた
びっくりさせてもうた…
そして、段々とウルウル…ってはっ！？
ここで泣かれたら困る！
すぐに撫でるのをやめ、前を向く
そのまま歩き出す
やってもたやってもたやってもたぁぁぁ！
アカン、女の子にこんなことするの初めてや…
しゃ、しゃーない…覚悟を決めろ…
前を向いたまま少女に話しかける
トントン
｢あの、すまんな…いきなり…｣
だぁー！ちゃう！もうちょっと気が配れないのか、お前は！
言ってから心の中で悔やみまくっていると
A
『いえ…その、私は別に…嬉しかったです…』
その言葉をゆっくりと噛み締める
人の嘘を見抜く事が苦手な俺でもすぐにわかった
あぁ、この子は俺たちを警戒するなんて微塵も考えてないんやなって
この子は…Aちゃんは…信じてみてもええかもしれん
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猫大好き - 下に同意、その終わり方ずるいよぉぉ。でもゆっくりでいいんで更新してくれると嬉しいです(ｳﾙｳﾙｳﾙｳﾙ) (2020年10月4日 18時) (
レス) id: 932515d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - っあ…その終わり方はずるい…めっちゃ気になる… (2020年6月28日 0時) (レス) id: 858eb4325f (このIDを非表示/違反報告)
シトラの旦那はうちだ←(プロフ) - え、好き。終わり方がずるい…！お気に入りにさせてもらいます！ (2020年5月17日 1時) (レス) id: 599c9ef14b (このIDを非表示/違反報告)
アヤキ(プロフ) - 終わり方が凄すぎる！ ヤベェ無茶苦茶気になる！！ (2020年5月8日 22時) (レス) id: 9787ce5c48 (このIDを非表示/違反報告)
(名無し) - その終わり方はずるいってぇ…。 (2020年3月17日 6時) (レス) id: 9c647a20cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沿岸音羽(その2) | 作成日時：2020年3月6日 22時
